2025年下半期の国際収支、前年同期比で赤字拡大、経常収支の赤字幅は縮小
(エジプト)
カイロ発
2026年05月19日
エジプト中央銀行の4月14日付発表
によると、2025年下半期(7月~12月、注)の国際収支は前年同期比で赤字幅が16億ドル拡大し、21億ドルの赤字となった。経常収支は95億ドルの赤字となったが、郷里送金や観光収入の増加により、赤字額は13.6%縮小した。資本・金融収支は外国直接投資(FDI)増加などで黒字となったが、銀行の対外資産の増加などにより黒字幅は減少した(添付資料表参照)。
貿易収支では石油・天然ガスの赤字が拡大
貿易収支のうち石油(原油・石油製品・天然ガス)の貿易赤字は23億ドル増の89億ドルに達した。輸入が前年同期の97億ドルから116億ドルに増加した一方、輸出は30億ドルから26億ドルへ減少したことによるものだ。自動車、部品、トウモロコシ、電話機、大豆などの輸入増加により、非石油貿易赤字も208億ドルから228億ドルへ拡大した。非石油輸出は金、電化製品、野菜・果物、衣料品などの増加により157億ドルから183億ドルへ伸びたが、輸入増をカバーできなかった。
サービス収支のうち観光収入は17.3%増の102億ドルとなった。スエズ運河通航料収入は、イエメンのフーシ派が紅海を通航する商船への攻撃を始めた2023年11月以来低水準だが(2025年12月23日記事参照)、19.0%増の22億ドルとなった。2025年下半期の通航実績は、通航トンが16.1%増の2億8,000万トン、通航隻数が5.8%増の6,700隻だった。所得収支では利子支払いが横ばいの38億ドルだった。移転収支の1項目である郷里送金は29.6%増加し221億ドルに達した。
金融収支では、対内直接投資(FDI)が純流入53%増の93億ドルと大きく増加した。政府が2025年11月にカタール政府系ファンドのカターリ・ディアールと締結した、エジプト北西部沿岸アラム・エル・ルームの総額297億ドルにのぼる大規模開発投資協定の最初の支払い35億ドルの入金が寄与した。同プロジェクトの開発面積は約20平方キロメートルで、2024年2月に調印されたアラブ首長国連邦(UAE)アブダビ首長国の政府系ファンドADQによる、同じく地中海沿岸ラス・アルヘクマの350億ドルの開発プロジェクト(2024年2月27日記事参照)以来の大型FDI案件だ。
証券投資は前年同期の32億ドルの純流出から50億ドルの純流入へ転じ、銀行資産収支は97億ドルの純流出(対外資産増加)だった。中長期の借り入れとバイヤーズ・サプライヤーズ・クレジットの合計は3億8,000万ドルの純返済で外部借り入れ依存度が低下したが、短期バイヤーズ・サプライヤーズ・クレジットが21億ドルの純借り入れとなったため、借り入れ全体は17億ドル増加した。
(注)本稿では暦年の下半期。なおエジプトの会計年度は7月~翌年6月であり、暦年の2025年下半期が2025/2026会計年度の上半期にあたる。
(西澤成世)
(エジプト)
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