350億ドルと過去最大の対内直接投資案件、UAEと調印

(エジプト、アラブ首長国連邦)

カイロ発

2024年02月27日

エジプト国家情報サービスによると、2024年2月23日に、エジプトのムスタファ・マドブーリー首相立ち会いの下、アッセム・エルガザル(Assem El-Gazzar)住宅相がアラブ首長国連邦(UAE)のモハメド・ハッサン・アルスワイディ(Mohamed Al Suwaidi)投資相とエジプトで過去最大となる350億ドルの対内直接投資(FDI)案件に調印した。エジプト北西部、地中海沿岸の町ラス・アルヘクマ(Ras Al-Hekma)をリゾートや商業、住宅、教育機関などに向けて総合開発する。最終的な開発面積は1億7,000万平方メートル、投資総額は1,500億ドルに達するとしている。

調印した350億ドルは2カ月以内にエジプトに入金する予定であることから、外国為替の並行市場ではエジプト・ポンド(EGP)が急反発した。2023年12月下旬は1ドル=52~53EGPで推移していたが、2024年に入りドル需給が逼迫し、2024年1月末には1ドル=70EGPを超えていた。2月に入り64EGP前後の水準が続いた後、このFDIの情報が流れ、外貨需給が緩和する憶測からEGPが急反発し、2月25日時点で50~51EGPとなっている。

エジプトの2023/2024会計年度(7月~6月)の総外貨収入額目標830億ドルのうち、110億ドルがFDIだった(2024年1月16日記事参照)ことから、今回の調印1件だけで年度のFDI目標を3倍超上回ったことになる。

(西澤成世)

(エジプト、アラブ首長国連邦)

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