マースク、フーシ派の船舶攻撃開始後初の紅海・スエズ運河航行を実施
(エジプト、デンマーク、イエメン、中東、世界)
カイロ発
2025年12月23日
デンマークに本拠地を置く海運世界最大手A.P.モラー・マースクは12月18~19日、同社のサービスで運航する貨物船がイエメン西部のバブ・エル・マンデブ海峡および紅海の航行を完了したと発表した。今回、同海域を航行したのはシンガポール船籍の貨物船で、同社の船舶としてイエメンのフーシ派による船舶攻撃開始後初の航行となった。
同社によれば、今回の航行は紅海・スエズ運河経由での東西航路の再開に向けた大きな一歩となったが、現時点では貨物船の主要航路をスエズ運河経由に戻すことを検討する段階にはないという。今後の同路線運航について具体的な計画はないが、安全基準が引き続き満たされることを前提に、追加でのスエズ運河航路運航を含む東西航路の再開に向けた段階的なアプローチを実施するという。
2023年11月から続くフーシ派による船舶攻撃(2023年12月25日記事参照)により、紅海・スエズ運河の船舶通航量は低調が続く。IMFと英国オックスフォード大学が共同で開発したポートウォッチ
によれば、スエズ運河の月別1日当たり平均船舶通航量は2023年11月から2024年9月にかけて減少、その後は回復傾向にあるものの、2025年11月の1日当たり平均通航船舶数(貨物船、タンカーの合計)は42.5隻と、2023年11月(75.8隻)の6割に満たない水準だ(添付資料図参照)。
(塩川裕子)
(エジプト、デンマーク、イエメン、中東、世界)
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