3月のカナダ消費者物価指数、前年同月比2.4%上昇

(カナダ)

トロント発

2026年04月22日

カナダ統計局が4月20日に発表した2026年3月の消費者物価指数(CPI)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますは、前年同月比2.4%の上昇となり、2月(1.8%、2026年3月19日記事参照)を0.6ポイント上回った(添付資料表参照)。

統計局は主な要因としてエネルギー価格を挙げ、特にガソリン価格の急上昇が全体を押し上げたと説明した。中東情勢を背景に、ガソリン価格は前年同月比5.9%上昇し、前月比では21.2%増と統計上で過去最大の月間上昇率を記録した。これにより、エネルギー価格全体は前年同月比で3.9%上昇し、2月の大幅な下落(9.3%減)から大きく反転した。一方で、ガソリンを除いたCPIは2.2%上昇と2月から鈍化しており、CPIの加速をガソリンが牽引したかたちとなった。また、燃料油およびその他燃料も26.1%上昇。加えて、店舗で購入される食料品価格が4.4%上昇したほか、生鮮野菜は7.8%増と2023年8月以来の高い伸びとなった。生産国における天候不良などによる供給逼迫が影響し、きゅうり、ピーマン、セロリなどで顕著な値上がりがみられた。

一方、CPIの上昇を抑制した要因として、2024年12月から2025年2月に実施された「全カナダ人のための減税法(Tax Break for All Canadians Act、2024年12月19日記事参照)」の終了に伴う基準年効果(注)の影響が挙げられた。減税措置終了後の影響が剥落したことで、2026年3月の前年比上昇率には下押し圧力がかかった。外食価格は前年比3.2%上昇と2月(7.8%)から伸びが鈍化。店舗購入のアルコール飲料(2.0%)や玩具・ホビー用品(1.5%)も、全体の上昇抑制に寄与した。また、北米の供給状況に依存しているため、世界的な価格変動の影響を比較的受けにくい天然ガス価格が18.1%と大幅に下落したことが、エネルギー価格全体の上昇を一部相殺した。

発表を受けて、トロント・ドミニオン銀行のマネージングディレクター兼シニアエコノミストのレスリー・プレストン氏は、原油高で総合インフレは上振れするものの、景気の弱さからコア指数への波及は限定的で、年内は2%目標付近にとどまる見通しを示した。こうした環境を踏まえ「カナダ銀行は次回会合でも政策金利を2.25%に据え置くとの見方が大勢であり、当面は利上げ・利下げともに急がず、原油高が経済全体に与える影響を見極める姿勢を続けるだろう」と述べた(「TDエコノミクス」4月20日)。

(注)前年の数値が通常と比較して高い、または低かったために、当年の前年比が大きく変動してしまう現象。

(井口まゆ子)

(カナダ)

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