メキシコの貿易ミッション団がカナダを訪問
(メキシコ、カナダ)
調査部米州課
2026年05月19日
メキシコ政府は5月6~8日にかけて、マルセロ・エブラル経済相を代表とする貿易ミッションをカナダに派遣した。ミッション団にはメキシコ政府関係者に加え、製造業や映像産業などを含む244社以上の企業が参加し、カナダのモントリオールとトロントを訪れた。ミッション期間中には、エブラル経済相がドミニク・ルブラン枢密院議長兼カナダ-米国貿易・州政府間関係相・ワン・カナダ経済担当相と会談したほか、2,000件以上の企業間会合などが行われた。
5月8日にはモントリオール国際関係評議会(CORIM)で、エブラル経済相とルブラン氏の公開対話が行われた。エブラル経済相は「今後数年間に向けて、(両国の)協力計画が必要だ」と述べ、通商面だけでなく、イノベーションやサプライチェーンの強靭(きょうじん)化での連携も重要と訴えた。米国の追加関税措置にも触れ、米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)の存在により、米国との関係においてメキシコとカナダは他国より有利な立場にあるとした。USMCAの維持が最優先だとした上で、米国・メキシコ間で実施予定の交渉(注1)に「カナダもいつか加わると確信している」と述べ、3カ国の枠組み維持・強化に意欲を示した。
両国政府の共同プレスリリース
によると、ミッション期間中にライフサイエンス、農業・食品、教育、クリエーティブ産業などの分野で10個の了解覚書(MOU)や協定が締結され、相互に投資案件を発表した。例えば、メキシコの食品大手ビンボ・グループは、カナダ拠点の機能強化に2億カナダ・ドル(約230億6,000万円、1カナダ・ドル=約115.3円)を投資する。また、インフラ事業を手掛けるカナダのソーラー・インターナショナル・コア社は、メキシコのイダルゴ州に20億米ドルを投資し、医薬品原料の生産拠点を建設する。そのほか、メキシコの州政府とカナダ企業の間で、投資の可能性を検討することを目的とした意向書も締結された。
今回のミッションは、2025年9月に実施された首脳会談での合意文書(注2)や、2026年2月のカナダミッション団によるメキシコ訪問の流れを受けて実施されたものとみられる。両国はプレスリリースで「2国間関係の勢いを維持するとともに、中小企業や投資家を含む民間セクターを引き続き支援する」とした。
(注1)メキシコと米国は、5月25日の週にメキシコシティでUSMCA見直しに向けた公式2国間会合を開催することで合意している(2026年4月22日記事参照)。
(注2)メキシコのクラウディア・シェインバウム大統領とカナダのマーク・カーニー首相は2025年9月18日に、両国関係を「包括的戦略的パートナーシップ」に格上げし、両国間の協力ロードマップである「メキシコ・カナダ行動計画2025-2030」を発表した(2025年9月25日記事参照)。
(加藤遥平)
(メキシコ、カナダ)
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