S&P、ナイジェリアの信用格付けを引き上げ、政府は改革継続を強調

(ナイジェリア)

ラゴス発

2026年05月19日

格付け大手のS&Pグローバル・レーティング(以下、S&P)は5月15日、ナイジェリアの長期外貨建て・自国通貨建てソブリン信用格付けを「B-」から「B」に引き上げ、見通しを「安定的」とした。ブルームバーグ(5月15日)によれば、ナイジェリアの格付け引き上げは2012年以来初めてとなる。フィッチ・レーティングスも4月にナイジェリアの格付けを「B」、見通しを「安定的」で据え置いており、主要格付け機関の評価は改善傾向にある。

S&Pは、石油生産量と原油価格の上昇、ダンゴテ製油所を中心とする国内精製能力の拡大、2023年以降の為替市場自由化、税制改革による歳入基盤の改善を評価した。特に、総外貨準備高は2023年の330億ドルから2026年3月初めに500億ドルへ増加しており、経常黒字は2025年のGDP比4.8%から2026年には5.8%に拡大すると予測した。債務対歳入比率は2023年の約500%から2026年に338%へ低下すると見通した。ダンゴテ製油所の製油能力は日量65万バレルに迫る勢いで拡大を続けているが、ダンゴテ・グループは2028年までに日量140万バレルへ拡張させる計画を明らかにしている(2025年12月1日記事参照)。

これを受け、タイウォ・オイデレ財務相兼経済調整相は声明を発表し、今回の格上げはボラ・ティヌブ政権下の経済政策に対する国際的信頼の高まりを示すものとして歓迎した。また、燃料補助金の再導入に否定的な立場をあらためて示すとともに、財政規律、市場主導型経済、民間投資を重視する改革継続の方針を強調した。

一方、S&Pによれば、燃料価格上昇やホルムズ海峡の事実上の封鎖などによるインフレ圧力、低調な税収、貧困・失業、治安リスクは引き続き課題となる。世界銀行は2026年の実質GDP成長率を約4.1%と予測し、原油高による歳入増は一時的な臨時収入として蓄え、引き締め的な金融政策を維持し、一律の補助金を避けるようを提言した。マクロ経済状況が一定の安定を見せる中、2027年1月には大統領選挙が予定されている(2026年3月18日記事参照)。

(柴田北斗)

(ナイジェリア)

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