中東情勢の影響を受け、4月CPI上昇率は大きく加速

(タイ、中東)

バンコク発

2026年05月11日

タイ商務省は5月6日、4月の消費者物価指数(CPI)上昇率PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)が、前年同月比2.89%と前月(マイナス0.08%)から加速したと発表した。CPI上昇率がプラス圏に転じるのは13カ月ぶり。また、2023年2月(同3.79%)以来、38カ月ぶりの高さとなった。

同省によると、ホルムズ海峡の実質封鎖など中東情勢の影響を受け、国内燃料価格が急騰し、公共交通機関の運賃が値上がりしたほか、調理済み食品では、生産コスト上昇分が小売価格に転嫁されたことがCPIを押し上げた。また、猛暑の影響により生鮮野菜の価格が上昇したことも寄与した。

前月比では、燃料価格と公共交通機関の運賃の上昇のほか、飼料や輸送コスト上昇に伴う豚肉などの値上げ、気温上昇により供給が減少した生鮮野菜などの価格上昇などからCPI上昇率は2.75%(前月:同0.60%)となった。

一方、価格変動の大きい生鮮食品やエネルギー価格を除いたCPIコアの上昇率については、前年同月比0.83%(前月:0.57%)、前月比0.41%(前月:マイナス0.12%)となった。CIMBタイ銀行によると、価格上昇圧力が急激に高まっており、エネルギーコスト上昇の影響は、より多くの商品に波及するため、今後、CPI総合の上昇がどの程度CPIコアに影響を与えるか注視する必要がある(5月7日付「ネーション」紙)。

同省は、2026年5月のCPI上昇率の見通しについて、政府の「タイ・チュアイ・タイ」プロジェクト(2026年4月10日記事参照)や、6月から導入される新たな電気料金体系(2026年5月1日記事参照)など、家計の生活費負担軽減策が講じられる一方、中東情勢の影響による、国内小売燃料価格の上昇や国内外の航空運賃の値上げ、原材料や物流費増加分の消費財への価格転嫁などを要因に、引き続き上昇すると予想した。

(野田芳美)

(タイ、中東)

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