アルジェリア、天然ガスだき大型ガスタービンコンバインドサイクル発電所を新設

(アルジェリア、中国、韓国、イタリア)

パリ発

2026年05月12日

アルジェリア政府は4月27日、同国東部テベッサ県エルアウイネット市において、総発電容量1,406メガワット(MW)と大型の天然ガスだきガスタービンコンバインドサイクル(GTCC、注)発電所の建設工事を正式に開始した。エネルギー・再生可能エネルギー省によれば、本発電所は国内GTCC発電所として2番目の規模となる(4月27日付国営通信社「アルジェリア・プレス・サービス」)。

建設は、国営電力公社ソネルガス傘下の「ソネルガス発電事業会社(Sonelgaz Production de l’électricité)」が中国電力工程(CNEEC)と共同で実施する。総事業費は1,840億9,000万アルジェリア・ディナール(約2,191億円、AD、1AD=約1.19円)で、工期は48カ月を予定している。エネルギー・再生可能エネルギー省のムラッド・アドジャル大臣は、発電所の稼働後はテベッサ県および周辺地域への電力供給を担うほか、国境地域という特性から将来的な電力輸出の可能性にも言及した。

一方、現在、北西部モスタガネム県ソナクテル地区で建設が進む総容量1,450MWの大規模GTCC発電所は、工事進捗率が94%を超え、2026年中の全面稼働が見込まれている。2014年に着工した同プロジェクトは、地盤条件などによる度重なる遅延を経て工事が再調整され、2024年7月から部分運転を開始し、現在は450MW分が稼働している。投資額1,060億ADの同プロジェクトは韓国サムスンC&Tが受注し、同国の電力供給力強化における重要案件と位置付けられている(2026年3月29日付「エルワタン」紙)。

アルジェリアの総発電容量は約29ギガワット(GW)で、南アフリカ共和国(約70GW)、エジプト(約63GW)に次ぎ、アフリカで3番目の規模となる。経済多角化の政府方針に伴う鉄鋼・セメント産業の生産拡大に加え、人口増加や生活様式の変化が電力需要を押し上げている(2026年1月21日付地域・分析レポート参照)。

2035年までに国内の太陽光発電容量を1万5,000MWへ拡大する国家計画の下、4月には大型太陽光発電所2カ所が稼働を開始したものの、再エネ導入は全体として当初計画より遅れがみられている(2026年4月20日記事参照)。こうした中、同国は電源構成の約99%を占めるガス火力発電所の新設を通じて、発電能力の一層の強化を図っている。また、イタリアとの電力相互連携をはじめ、地中海地域およびアフリカ諸国向けの電力輸出プロジェクトを推進している。

(注)GTCCはガスタービンと蒸気タービンを組み合わせた発電方式で、高効率発電が可能となり、従来型石炭火力などと比べて二酸化炭素(CO2)排出を抑制できる技術の1つ。

(ピエリック・グルニエ)

(アルジェリア、中国、韓国、イタリア)

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