メキシコの2026年第1四半期GDP成長率は前年同期比0.2%

(メキシコ)

調査部米州課

2026年05月29日

メキシコの国立統計地理情報院(INEGI)は5月22日、2026年第1四半期(1~3月)の産業分野別実質GDP成長率PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(注1)を発表した。GDP全体では、前年同期比0.2%、季節調整済み前期比はマイナス0.62%だった。4月30日に発表されていた速報値(前者が0.1%、後者がマイナス0.8%)から上方修正された。

前年同期比成長率を産業別にみると、農牧・林業・水産は0.4%、サービス産業は1.0%のプラス成長だったが、鉱工業はマイナス1.2%となった(添付資料表1参照)。季節調整済み前期比では、農牧・林業・水産はマイナス1.70%、サービス産業はマイナス0.37%、鉱工業もマイナス1.02%といずれもマイナスとなった(添付資料表2参照)。

鉱工業の内訳をみると、鉱業が前年同期比2.6%、前期比0.04%と2025年のマイナス成長から一定の回復を見せた。一方、電気・ガス・水道、建設、製造業は前年同期比・前期比ともにマイナスとなった。GDPの2割を占める製造業は前年同期比マイナス2.0%とGDPを0.4ポイント押し下げ、特に輸送機器製造が同マイナス6.4%と不調だった。バンコ・バセのガブリエラ・シラー経済アナリストは「高付加価値製造業の輸出が減少する一方、付加価値の低い工業品の輸出が増加しており、(輸出の)経済波及効果が小さい」と指摘した(「エル・エコノミスタ」紙5月24日付)。第1四半期の貿易統計をみると、輸出額は前年同期比19.4%増と好調で、GDPとは傾向が異なっている。

サービス業の内訳をみると、卸売業が前年同期比1.9%、前期比0.22%だった。小売業は前年同期比0.8%、前期比マイナス1.32%だった。小売業は前年の好調から一転するかたちとなったが、背景にはインフレによる個人消費の低下もあるとみられる。3月のインフレ率は4.59%と、1月の3.79%から加速している。そのほか、政府・行政部門が前年同期比5.3%、前期比4.36%と大きな伸びを見せた。

メキシコ中銀は5月27日に発表した四半期レポートPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)で、2026年の実質GDP成長率見通しを1.1%と、前回の1.6%から下方修正した(注2)。下方修正の理由としては、2026年第1四半期の経済活動が想定よりも低水準だったことを挙げたが、第2・第3四半期の成長率は回復する見通しだとした。一方、中東情勢の不安定化にも言及し、メキシコ経済への直接的な影響は想定されないが、世界経済の下振れやエネルギー価格上昇などのリスクがあるとした。

(注1)INEGIは、2023年第2四半期(4~6月)から国民経済計算の基準年を2013年から2018年に変更したため、数値が過去にさかのぼって修正されており、2023年第1四半期(1~3月)以前の実質GDP成長率(2023年5月29日記事参照)の数値とは継続性がない。

(注2)IMFが4月14日に発表した「世界経済見通し」では、2026年のメキシコのGDP成長率を1.6%と予測している(2026年4月16日記事参照)。

(加藤遥平)

(メキシコ)

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