広東省、第15次5カ年規画綱要を発表

(中国、香港、マカオ)

広州発

2026年05月13日

広東省は4月28日、「広東省国民経済・社会発展第15次5カ年(2016~2030年)規画綱要」(以下、綱要)を公布した。綱要では6分野で22項目の主要指標が設定された。経済発展に向けた指標については、今後5年間の実質域内総生産(GRP)成長率を年平均5%前後とする目標が掲げられた(添付資料表参照)。

綱要では広東・香港・マカオグレーターベイエリア(粤港澳大湾区、以下GBA)について単独の章が設けられており、活力と国際競争力を備えた一流のベイエリアおよび世界レベルの都市群を構築するという目標が示された。それに向け、産業と科学技術分野における連携を深化させる方針が打ち出され、広深港(広州市・深セン市・香港)と広珠澳(広州市・珠海市・マカオ)の科学技術回廊を最適化するとしている。また、深セン市・香港については河套、珠海市・マカオについては横琴を拠点として、高度なイノベーション要素の集積を強化する(注1)。

インフラ面では、「鉄道で結ばれたGBA」構築を掲げ、珠江口を環状に結ぶ直結型の鉄道網の整備を加速する。香港・深セン市の西部鉄道や広珠澳高速鉄道など、越境軌道交通プロジェクトを推進する。人・物流の円滑化に向けては、「港車北上・澳車北上(香港・マカオから広東省への北上」」(2024年7月19日記事参照)と「粤車南下(広東省から香港・マカオへの南下」」(2026年1月23日記事参照)を積極的に進めるとともに、往来を円滑化するために出入境査証・許可制度の整備を進める。また、重点分野には、香港・マカオの専門人材が越境で円滑に業務に従事できる制度環境の整備も盛り込む。生活面では、広東省・香港・マカオの高等教育機関における連携育成を進めるとともに、香港・マカオ住民が広東省で医療保険を利用できる制度を整備する。「港澳薬械通」政策(注2)および「高齢者向け医療サービス(長者医療券大湾区試点計画)」(注3)についても、適用対象範囲の拡充を進めるとしている。

このほか、越境時の安全検査の事前実施や、生鮮品を対象としたグリーンレーン(優先通関)措置の活用などを通じ、通関での協力強化が図られる。さらに、株式・債券・先物などにおける越境金融の最適化や、データ安全管理体制の整備を通じたGBA内の効率的で安全なデータ流通についても言及された。

(注1)広州市南沙、深セン市前海、深セン市河套、珠海市横琴は、GBAにおいて重要な協力プラットフォームとして位置付けられている。

(注2)「港澳薬械通」政策とは、香港・マカオで承認済み、かつ広東省で臨床緊急需要があると認められた薬品や医療機器を、広東省内の指定医療機関が輸入・使用できる仕組み(2026年1月27日付地域・分析レポート参照)。

(注3)「高齢者向け医療サービス(長者医療券大湾区試点計画)」は、2024年2月19日に発表された試験的な制度で、香港の高齢者が香港政府支給の医療券を使い、広東省内の指定医療機関で外来診療費・看護サービス費を支払うことができるもの。2025年5月2日には同制度の指定医療機関を拡大することが発表された。

(黄子珊)

(中国、香港、マカオ)

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