日韓首脳、サプライチェーン、エネルギー分野の協力策を議論
(韓国、日本)
ソウル発
2026年05月21日
高市早苗首相は5月19~20日、韓国の安東(アンドン)を訪問した。今回の韓国訪問は、1月13~14日の李在明(イ・ジェミョン)大統領の奈良訪問(2026年1月14日記事参照)に続く「シャトル外交」の一環として行われた。5月19日に約100分間行われた日韓首脳会談で、両国首脳は「シャトル外交」開催を高く評価し、日韓関係全般や急変する国際情勢下での日韓協力などについて議論した。韓国政府の発表によると、首脳会談後に行われた共同記者発表の主な内容は次のとおり(日本政府の発表は外務省ウェブサイト参照
)。
- 最近の中東情勢によるサプライチェーンとエネルギー市場の不安定化に対し、日韓の緊密な協力の必要性が一層高まったことに共感した。この共感を下に、日韓は3月に締結した「サプライチェーン・パートナーシップ協力覚書(2026年3月16日記事参照)」の成果を評価し、両国間のサプライチェーン協力をさらに拡大していくこととした。
- 日本から提案のあったアジア諸国との資源サプライチェーン協力について、日韓が緊密に共助し、深化させていくこととした。
- 日韓は重要エネルギー資源であるLNG(液化天然ガス)および原油分野での協力を一層強化することとした。特に、3月に締結した「LNG運用の最適化に関する覚書(2026年3月16日記事参照)」をベースに両国間のLNG協力を拡大し、原油の需給および備蓄に関連した情報の共有と意思疎通チャンネルを深化させていくこととした。
- 急変する国際情勢の下、域内の平和と安定のために日韓・日米韓協力の重要性を再確認した。特に、最近、日韓安全保障対話を次官級に格上げして開催したことを意義のある進展と評価した。
- 両国首脳は、人工知能(AI)、宇宙探査、バイオなど、先端技術分野での協力についても深く論議した。
なお、両首脳のサプライチェーン・エネルギー分野の協力強化論議のフォローアップとして、経済産業省と韓国の産業通商部は「エネルギー安全保障およびサプライチェーン強靭(きょうじん)化に関する協力強化についての共同プレスリリース
」を発表した。同プレスリリースの主な内容は次のとおり。
- 原油および石油製品のスワップ・相互融通、原油調達および輸送について、緊急時における円滑な協力を可能とするため、日韓政府は官民対話を促進する。
- 相互融通の強化を含め、LNG運用の最適化に関する取り組みを推進する。
- 「サプライチェーン・パートナーシップ協力覚書」を基礎とし、重要分野におけるサプライチェーン強靭化に関する日韓協力を強化し、危機対応メカニズムを強化する。
- 「アジア・エネルギー・資源供給力強靱化パートナーシップ(POWERR Asia)」などの取り組みを通じ、備蓄を含む分野での協力の可能性を検討する。そのために、日韓政府はハイレベルの「産業・通商政策対話」の立ち上げを含め、実務レベルでの協議を強化する。
(李海昌)
(韓国、日本)
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