日韓首脳会談が奈良で開催、経済安全保障協力などを推進
(韓国、日本)
ソウル発
2026年01月14日
高市早苗首相は1月13日、韓国の李在明(イ・ジェミョン)大統領と奈良県で日韓首脳会談を行った(注1)。首脳会談は、20分間の少人数会合と70分間の拡大会合の合計90分間行われ、その後、両首脳による共同記者会見が行われた。今回の会談は、高市首相就任後初の韓国大統領の訪日であり、両国が定着させてきた「シャトル外交」の一環として行われた。
会談で両首脳は、日韓関係の新たな60年に向けた多様な協力課題を議論した後、共同記者発表を通じて具体的成果を発表した。韓国政府の発表によると、共同記者会見の内容は次のとおり。
- 両国が貿易中心の協力を超え、経済安全保障、科学技術、国際規範を共に作り上げていくためのより包括的な協力が必要だという点について共感し、このための関係当局間の議論を開始することにした(注2)。
- 人工知能(AI)と知的財産保護などの分野で両国間の協力をさらに深化させるための実務協議を続けていくことにした。
- 未来世代間の相互理解促進が未来志向の日韓関係の基盤であるという点で認識を共有し、青年世代間の交流の量的・質的拡大、出入国簡素化、修学旅行奨励、技術資格相互承認拡大方案などを提案した。
- 急変する国際情勢の中で域内の平和と安定のための日韓・日米韓協力の重要性についても認識を共有し、東北アジア地域の日中韓3カ国が最大限の共通点を見出し、共に意思疎通を図り協力していく必要性がある点を強調した。
- 両国は朝鮮半島の完全な非核化と恒久的平和構築への意志を再確認し、対北朝鮮政策において緊密な連携を継続していくことで合意した。
- 1942年に起きた日本・宇部市の長生炭鉱事故に関連し、両国は遺骨の身元確認のためのDNA鑑定を推進することとし、具体的な事項は当局間の実務協議を進めることにした。これに関して、李大統領は「過去の問題において、小さくとも意味のある進展が得られたことを意義深く思う」と述べた。
(注1)前回の日韓首脳会談(2025年10月、韓国・慶州市)の際に、李大統領が「次は自身が日本を訪問する番だ。首都の東京ではなく、地方都市でお会いしたい」と述べたため、高市首相の出身地である奈良県で開催された(2025年11月5日記事参照)。なお、韓国の大統領が奈良県を訪問するのは今回が初めて。
(注2)日本外務省発表(2026年1月13日)
によると、「その中で、サプライチェーン協力について踏み込んだ議論を行いました」としている。他方、韓国政府の発表には、サプライチェーン協力に関する言及はみられない。
(橋爪直輝)
(韓国、日本)
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