カスピ海水位・エネルギー分野で協力、カザフスタンで環境サミット

(カザフスタン、中央アジア、アゼルバイジャン、日本、フランス)

タシケント発

2026年05月12日

カザフスタンの首都アスタナで4月22日から24日まで、地域環境サミット(RES2026)が開催された(2026年5月7日記事参照)。23日に行われた分科会では、各国政府・企業や国際機関が中央アジアでの環境課題やエネルギー確保に向けた取り組みを紹介した。

分科会「テヘラン条約(カスピ海海洋環境保護のための枠組み条約)に関するハイレベル対話:カスピ海の利益に向けた協力の強化」では、カスピ海の課題解決について議論した。アゼルバイジャンのラウフ・ハジエフ環境天然資源省次官は、カスピ海水位の低下が船舶航行の制限につながり物流に悪影響をもたらすと指摘。現代技術を駆使したモニタリングと関係国間のデータ共有が重要だと述べた。飯島泰雅駐カザフスタン日本大使は、カスピ海を通過する中央回廊(カスピ海横断国際輸送ルート)の整備に日本が協力することを述べた上で、カスピ海水位の低下については日本の経験を活用して解決に貢献したいと表明した。

写真 分科会の様子(ジェトロ撮影)

分科会の様子(ジェトロ撮影)

分科会「中央アジアの持続可能なエネルギーの未来の確保:クリーンエネルギーとイノベーション」では、エネルギー安全保障やクリーンエネルギー移行の議論が行われた。アジア開発銀行(ADB)のプラディープ・タラカン・エネルギー移行部長は、中央アジアでの取り組みを報告。「重要鉱物から製造まで(CMM)」バリューチェーン構築(注)プログラムによる資金調達支援や、中央アジアから欧州へのグリーンエネルギー輸出に向けた調査支援について説明した。フランス電力(EDF)のベルナール・フォンタナ最高経営責任者(CEO)は、ウズベキスタンのシルダリヤ火力発電所の新設やキルギスでの水力発電タービンの交換実績を紹介した。さらに、カザフスタンの原子力発電所建設計画(2025年6月19日記事参照)については、同社タービン提供の意向を示し、エネルギー安全保障を通じた中央アジアとの連携の深化に意欲を示した。

(注)重要鉱物の産出国を対象に、採掘から製造業での活用、再利用といった一連のバリューチェーンを一貫して支援し、当該国産業の付加価値創出や需要国への安定供給を目指すこと。CMMはCritical Minerals-to-Manufacturingの略。

(一瀬友太)

(カザフスタン、中央アジア、アゼルバイジャン、日本、フランス)

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