カザフスタンで初の地域環境サミット開催、首脳らは水資源を議論

(カザフスタン、ウズベキスタン、キルギス、タジキスタン、トルクメニスタン)

タシケント発

2026年05月07日

カザフスタンの首都アスタナで422日から24日まで、地域環境サミット(RES2026)が初めて開催された。中央アジアを含む各国政府や国際機関の関係者が集まり、地域の環境課題や投資について議論を行った。初日の本会議には中央アジア各国首脳が参加し、主に水資源に関する議論が行われた。

写真 RES2026会場の様子(ジェトロ撮影)

RES2026会場の様子(ジェトロ撮影)

カザフスタンのカシムジョマルト・トカエフ大統領は、中央アジアが水不足や氷河の融解(2024年4月26日記事参照)、大気汚染など共通の問題に直面していると指摘し、地域での共同対応が必要になると述べた。ウズベキスタンのシャフカト・ミルジヨエフ大統領は、水資源利用の効率化が中央アジアの課題であると述べ、同国が2027年から議長国を務める国際アラル海基金(注)を地域統合の推進力として発展させる意向を示した。

キルギスのサディル・ジャパロフ大統領は、自国の水資源の76%が周辺諸国へ流出していることを背景に、関係国が共同で資金負担を行う経済補償プログラムを提案した。タジキスタンのエモマリ・ラフモン大統領は、中央アジアの水資源の最大60%を供給する同国では1,300以上の氷河が消失したと報告、対策の重要性を強調した。トルクメニスタンのセルダル・ベルディムハメドフ大統領は、中央アジアの水資源問題は、国際法順守や関係国の平等な利益、国際機関の関与を踏まえた解決が必要であるとの立場を示した。

RES2026の主要成果として、中央アジア各国首脳は宣言「中央アジア環境連帯」を採択。環境課題解決への連携を確認した。

RES2026の評価について、タジキスタンの独立系メディア「アジアプラス」(4月29日)は「対話にとどまらず実践の出発点となった」と評価、地域の環境課題の設定に成功したとしている。他方で「ディプロマット」(4月20日)は、カザフスタンが新たな石炭火力発電所の建設を行う意向であることを例示し、環境政策の一貫性の欠如を指摘。越境的な課題の多い中央アジアでは、各国政府の根本的な改革や長期的な国際協力、政策調整が求められるとした。

(注)中央アジア各国が1993年に設置した基金。主な活動はアラル海の環境改善や越境水資源の管理など。

(一瀬友太)

(カザフスタン、ウズベキスタン、キルギス、タジキスタン、トルクメニスタン)

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