アルメニアとEUが初の首脳会談を開催、輸送、エネルギー、デジタル分野で協力
(アルメニア、EU)
調査部欧州課
2026年05月11日
アルメニアの首都エレバンで5月5日、同国とEUによる初の首脳会談が開催された。同会談でアルメニアのニコル・パシニャン首相、欧州理事会のアントニオ・コスタ常任議長、欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長は44項目の共同宣言を採択した。
共同宣言では、今後の両国・地域間の協力の基本枠組みについて合意した。今後、アルメニア向けに2億7,000万ユーロ規模の「レジリエンス・成長計画」(注)を継続するとともに、グローバル・ゲートウェイ戦略(2021年12月3日記事参照)のもとでEUからアルメニアへの投資が25億ユーロに達する見込みだ。共同宣言の中でEUは、「国際平和・繁栄のためのトランプ・ルート(TRIPP)」(2025年8月13日記事参照)を含むアルメニアによる地域連結性強化の取り組みを歓迎し、アルメニアとアゼルバイジャン、ならびにトルコとの関係正常化への支持を表明した。
首脳会談の一環でアルメニア・EU連結性パートナーシップに関する共同声明も出された。双方が輸送、エネルギーおよびデジタルの3分野での協力の戦略的重要性を認識するとした。輸送分野においては、カスピ海横断輸送ルート(中央回廊)へのアルメニアの参画がうたわれている。エネルギー分野では、同国のエネルギー自立性の強化に向けた取り組みをEUが支援する。EUは、ソ連時代に建設されたアルメニア原子力発電所の廃炉に向けたロードマップ策定でも支援を行う方針を示した。デジタルに関しては、人工知能(AI)や半導体などの分野で双方がエコシステムのさらなる統合、連携強化を図るとした。
5月4日にはエレバンで第8回の欧州政治共同体(EPC)の首脳会合も開かれた。欧州主要国の首脳やNATOのマルク・ルッテ事務総長に加え、ウクライナのボロディミル・ゼレンスキー大統領も参加した。経済およびエネルギー安全保障の強化に向けた協力について意見交換が行われた。
(注)アルメニアの社会経済改革の推進、経済の強靭(きょうじん)性の向上および持続的な成長の実現を目指し、EUが同国に財政支援や投資促進への貢献を行う枠組み。
(欧州課)
(アルメニア、EU)
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