ドンナイ省で日系の「次世代型脱炭素工業団地」が起工

(ベトナム、日本)

ホーチミン発

2026年05月14日

日系大手商社の双日の現地子会社ロンドウック3インダストリアルパークは4月23日、ベトナム南部のドンナイ省でロンドウック第3工業団地(LD3)の起工式を開催した。式典には、ドンナイ省党委員会のボー・タン・ドゥック副書記や同省人民委員会のグエン・ティ・ホアン副委員長、在ホーチミン日本総領事館関係者など、日越両国の官民関係者が多数出席した。

双日はベトナムで1996年から工業団地開発事業を展開しており、LD3は同省内で3件目となる。ロテコ工業団地およびロンドウック工業団地に次ぐ同団地は、「次世代型脱炭素工業団地」をコンセプトに開発される。

式典のあいさつで、双日の橋本政和常務執行役員 航空・交通インフラ本部長は、「これまでドンナイ省で培った工業団地運営の経験を生かし、雇用創出や人材育成を通じて地域発展に貢献したい」と述べた。グエン・ティ・ホアン副委員長は、「同事業が2050年温室効果ガス排出量ゼロを目指す国家方針(2021年11月9日記事参照)に沿うもの」として期待を示した。

LD3は環境負荷低減を重視し、団地内パイプラインを通じて、ガソリンや軽油と比べ有害なガスが少ないとされる圧縮天然ガス(CNG)の供給(注1)を予定しているほか、屋根置き太陽光発電をはじめとする再生可能エネルギー導入の検討を進めている(2026年4月8日ジェトロヒアリング)。立地面でも、建設中のロンタイン国際空港まで約15分と近く、物流や人の移動において高い利便性を備えている。総面積は245ヘクタール、第1期工事は2027年2月の竣工(しゅんこう)を予定している。

写真 起工式での鏡開きの様子(ジェトロ撮影)

起工式での鏡開きの様子(ジェトロ撮影)

中央直轄市「ドンナイ市」が誕生

ベトナム国会は4月24日の本会議で、ドンナイ省を中央政府直轄市「ドンナイ市」とする決議を可決した(政府電子新聞4月24日)。同市は4月30日に発足し、省から国内7番目の中央直轄市に移行した(注2)。背景には、同省がホーチミン市に続く南部経済の中核として存在感を高めていることにある。多くの工業団地を抱え、2025年のGRDP(地域総生産)成長率は前年比で9.63%と政府目標(8.5%)を上回った。2025年12月には南部のベース電源となる国内初の液化天然ガス(LNG)火力発電所(2026年1月5日記事参照)やロンタイン国際空港など大型開発も進む。ドンナイ市は、ロンタイン国際空港を中核に、ハイテク産業や物流、イノベーションなどの様々な分野で、南部地域経済を結ぶ拠点として「空港都市」の構築を目指している。

(注1)CNGを供給する会社であるSojitz Osaka Gas Energy Company Ltd.(SOGEC)は、双日と大阪ガスの合弁企業。ロンドウック工業団地、Phu My 3工業団地で天然ガスを供給するほか、産業用途向けに天然ガスを供給している。

(注2)これまで中央直轄市は、ハノイ市、ハイフォン市、ダナン市、フエ市、ホーチミン市、カントー市の6市。

(小林真龍)

(ベトナム、日本)

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