タイ保健省、新たな公衆衛生政策「MOPH PLUS+」を発表

(タイ)

バンコク発

2026年05月18日

パッタナー・プロームパット保健相は4月30日、新たな公衆衛生政策「MOPH PLUS+」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表した。政策の実施期間は2026年から2030年となる。名称の「MOPH PLUS」の各文字は、タイ保健省の政策理念・推進要素を示し、これらに7つの戦略的柱(+)を加えて、タイの公衆衛生政策を包括的に推進する枠組みだ。「あらゆる世代の健康、イノベーションと知恵によるタイ経済の推進」を基本方針とする。政策理念・推進要素、および7つの戦略的柱は次のとおり(添付資料表参照)。

【政策理念・推進要素「MOPH PLUS」】

  • M(Majesty):敬愛・継承/王室の御下賜の理念
  • O(OECD):公衆衛生の世界水準への引き上げ
  • P(Primary Care):全てのライフステージケア/非感染性疾患(NCDs)への対応
  • H(Health for Wealth):経済強化/医療用ハーブの利用手続き簡素化
  • P(People):医療従事者へのケア/人材不足の解消
  • L(Legal):法制度見直し/関連する基金の強化
  • U(Utility):クリーンエネルギー活用/グリーン施策の実施/ネットゼロの実現
  • S(Smart Innovation):AI/ゲノミクス/先端医療医薬品(ATMPs)/イノベーションの活用や促進

【7つの戦略的柱「+」】

  1. プライマリーヘルスケアネットワークによるあらゆる世代の健康(Smart Life & Primary Care Connectivity)
  2. スマート医療・イノベーション(Advanced Medicine & Innovation)
  3. 健康経済による収益創出(Health for Wealth)
  4. 透明性ある運営と危機への備え(Smart Governance & Health Security)
  5. 卓越した医療サービスの提供とグリーン病院への移行(Excellence & Net Zero MOPH)
  6. 医療・公衆衛生従事者の士気向上(Happy Health Workforce)
  7. 国際基準を超えた医療システムで、世界の健康分野のリーダーへ(Global Health Standard)

同相は、短期的成果を重視した景気刺激策「クイック・ビッグ・ウィン(注)」に言及しつつ、今後は「MOPH PLUS+」により、タイ社会の構造的課題への対応も進めるとの方向性を示した。具体的には、1次レベルの予防的健康促進、医療AI・ロボットおよびゲノム医療・精密医療といった高度医療技術の活用、国際基準に整合した世界トップクラスの「ウェルネス・メディカルサービスハブPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)」への発展など、医療・公衆衛生システム全体の構造的な転換に焦点を当てている。

(注)第1次アヌティン内閣が打ち出した、「経済と観光の活性化」「家計債務の軽減」「中小企業支援」「貯蓄促進」「将来の投資促進」の5つを主要な目標とした「短期刺激策、長期的効果、広範な波及」に焦点を当てた政策。個別の主な施策として、コン・ラ・クルン・プラス(2025年10月10日記事参照)やタイランド・ファストパス(2025年11月19日記事参照)などがある。

(上江洲祐貴、チャイラッタラクン・コトナパソン)

(タイ)

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