個人消費刺激策「コン・ラ・クルン・プラス」、10月29日から実施

(タイ)

バンコク発

2025年10月10日

タイ政府は10月7日の閣議で、個人消費刺激策としてコーペイメント事業「コン・ラ・クルン・プラス」(注、タイ語で「半分ずつ」の意)」の実施を承認した。これを受けて、財務省は同日に政策の詳細を発表PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)した。

財務省発表の要点は次のとおり。

  • 対象者は16歳以上のタイ国籍を有する者で、2,000万人を上限とする。
  • 個人所得税を申告した者には、1人当たり2,400バーツ(約1万1,040円、1バーツ=約4.6円)、個人所得税を申告していない者には、2,000バーツを給付する。
  • 政府は対象者の支出金額の半額を補助し、1日当たりの補助上限額は200バーツとなる。
  • 登録と利用は「パオタン」というアプリを通じて行う。
  • 利用者の登録受け付けは10月20日から同月26日まで。
  • 補助対象期間は10月29日から12月31日まで。

政府は、当該政策は経済成長率を0.22%押し上げると見込んでいる。経費総額440億バーツは、経済刺激予算から250億バーツ、中央予備費から190億バーツを調達する(「クルンテープ・トゥラキット」紙10月8日付)。

また、政府は9月30日の閣議で、景気低迷の中で国民の生活費負担を軽減するため、国民福祉カードを所持する低所得者などに対し、当該期間中1人当たり1,700バーツを追加給付するPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)ことも決定していた。公的拠出金440億バーツに加え、中央予算から同措置に係る230億バーツを拠出する。

政府はこの総額約1,000億バーツの措置により、経済成長率を0.3~0.4ポイント押し上げると見込んでいる。

(注)現地報道によると、政府は今回の「プラス」の意味として、新型コロナウイルス禍の際に実施された措置と比較して、対象年齢の拡大、1人当たり補助金額の増加、参加事業規模の拡大などを示すと説明した。

(ピンラウィー・シリサップ、野田芳美)

(タイ)

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