日本の4月の石油化学製品生産は前月より増加、前年同月比で減少も在庫活用や中東以外から調達

(日本、中東)

調査部中東アフリカ課

2026年05月22日

日本の石油化学工業協会は5月21日、「2026年4月生産等実績概要」をプレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。同発表によると、2月末のホルムズ海峡の実質封鎖以降、同協会の会員企業においては、国内石油精製からのプラスチック関連製造に利用されるナフサの調達の継続、中東以外からのナフサ調達の拡大および製品在庫の活用により、石油化学製品の供給継続に尽力していると発表した。

日本での石油化学製品の4月の生産・出荷実績は、ナフサ生産施設の定期改修や中東情勢の変化を受け、需要の先取りなどの影響もあり、生産量は前年同月比で減少したが、主要石油化学製品であるポリエチレンやポリプロピレンは前月(3月)の生産量からは増加したという。

一方、前年同月比での4月の生産量は、エチレンが37%減、低密度ポリエチレンが27%減、高密度ポリエチレンが34%減、ポリプロピレンが24%減だった。アセトアルデヒドは前年同月比の生産量で増加したものの、スチレン、塩ビ、合成ゴム、芳香族はいずれも減少をみせた。

同プレスリリースによると、在庫などもあり、石油化学製品の「国内出荷」で製品ごとに差は見られるが、全体として供給は維持できているとした。日本国内の在庫の状況では、ポリエチレンやポリプロピレンといった主要石油化学製品では国内需要の3カ月以上の水準を維持しており、直ちに供給困難となる状況ではないと認識を示した。さらに、同協会の会員企業による中東以外の地域からのナフサの代替調達の確保が進み、これまで2割程度だった中東以外の輸入ナフサ量が5月には大幅に増加するとの見通しだという。

中東からの輸入は減少

日本のナフサの輸入量は、2024年時点で中東が73.6%と大半を占めていた。ホルムズ海峡通航が激減する中、貿易統計によると、2026年4月の日本の中東全体(全品目)からの輸入額は前年同月比56.8%減だった(2026年5月21日記事参照)。中東からの「原油および粗油」の輸入額が55.5%減、ナフサ含む「石油製品」は72.4%減、液化天然ガス(LNG)も71.5%減だった。一方、日本政府や企業もナフサの原料となる原油や石油製品の中東以外からの代替調達も進めている。

中東情勢に関する関係閣僚会議の各種資料外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、日本政府は5月分の原油は代替調達などで例年の6割を調達し、6月には例年の7割以上を調達する見込みだとした。不足分は石油の備蓄放出で補充するという。また、川中から川下への流通過程において「目詰まり」が発生しているが、原油やナフサ由来の化学製品は、「年を越えて」供給継続可能だという。

なお、日本政府や世界各国、国際機関はホルムズ海峡解放を働きかけている(2026年5月15日記事参照)。

中東情勢と世界各国の動きは「イスラエル・米国とイランの衝突を巡る中東情勢関連情報」「激動の中東情勢:中東各国への影響と展望」も参照。

(井澤壌士)

(日本、中東)

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