英国政府、CBAM 2次法案第2段階を公表、体化排出量の算定方法を規定

(英国、EU)

ロンドン発

2026年04月16日

英国政府は4月9日、炭素国境調整メカニズム(CBAM、注1)に関する2次法案の第2段階を公表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。第1段階の意見公募(2026年3月26日記事参照)時に、2026年春に予定しているとしていた第2段階に当たるもので、5月21日まで意見を募集する。

今回の意見公募の対象となる2次法案は「体化排出量(注2)の算定」「排出データのモニタリングと検証」「記録の保管」を規定するもので、主な内容は次のとおり。

○体化排出量の算定

  • 対象製品の生産に起因する排出量は、二酸化炭素(CO2)換算のトンで表される。
  • デフォルト値(注3)を用いる場合、排出量は対象商品の重量にデフォルト値を乗じて決定される。
  • デフォルト値を用いない場合、排出量は8つのステップ(添付資料表参照)により算定される。

○排出量データのモニタリングと検証

  • 関連する排出量は1暦年にわたりモニタリングされなければならない。
  • 関連する排出量のデータは、(ⅰ)対象製品の輸入者、(ⅱ)対象製品の生産施設またはその運営者、(ⅲ)対象製品の中間製品の生産施設またはその運営者、のいずれからも独立した検証者によって検証されなければならない。
  • 検証者は、検証した各モニタリング期間について、生産施設の運用者に対して検証報告書を提出しなければならない。

○記録の保管

  • デフォルト値を用いない対象製品の輸入者は、生産施設および運営者の情報、モニタリング期間およびその根拠、中間製品に関する情報、検証報告書などを6年間保存しなければならない。

英国はEUと相互の排出量取引制度(ETS)の連携について交渉を進めており、今回発表した排出量データのモニタリングと検証の方法論についても、EUのCBAMとの相互運用性を考慮して設計したとしている。

英国政府は2次法案と合わせて、詳細規定の位置づけとなる法的効力のある通知(草案PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます))と、CBAMの報告義務の対象範囲を示すCBAMシステム境界文書(草案)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)も公表。また、CBAMの概要を示すポリシーペーパー外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますは、CBAMの排出量データのモニタリングと検証に関する2次法案および法的効力のある通知の公表に伴い、その内容を更新、当該分野におけるCBAM政策の概要も追加されており、今回の意見公募を行うための内容を反映している。

(注1)英国のCBAMやETSについては2024年5月27日付地域・分析レポート「英国カーボンプライシング政策の今」も参照。

(注2)英国外から輸入された対象製品の生産に伴う(製品に含まれる)温室効果ガスの排出量を指す。

(注3)実際の排出量を用いることが難しい場合に用いる既定値。対象製品ごとの具体的な値は2027年1月の制度開始までに発表される見込み。

(齊藤圭)

(英国、EU)

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