トランプ米大統領が演説、対イラン作戦継続を表明、2~3週間での合意形成目指す

(米国、イラン、イスラエル)

調査部米州課

2026年04月02日

米国のドナルド・トランプ大統領は4月1日、ホワイトハウスで約20分間演説外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますし、米国民に対して、イランへの米軍の軍事作戦による成果や今後の方針について説明した。演説では、今後2~3週間、イランを徹底的に攻撃する方針を示すとともに、その間にイランの新指導部との合意形成を目指す考えを示した。また、ホルムズ海峡を経由する石油・ガスを調達する諸外国・地域に対し、米国からの代替調達、同海峡への自国部隊の派遣による船舶の護衛の2点を提言した。

米国は、2025年6月にイランの核施設を攻撃する「ミッドナイト・ハンマー(真夜中の鉄つい)作戦」を実施したほか、2026年3月には「エピック・フューリー(壮絶な怒り)作戦」を開始し、現在も軍事行動を継続している。トランプ氏は同作戦の目標に、イランの核開発能力の排除、弾道ミサイル能力の破壊、テロ組織ネットワークの弱体化、海軍戦力の壊滅、体制転換などを挙げている(2026年3月3日記事参照)。

今回の演説でトランプ氏は、これまでの軍事作戦により、イランの海空戦力の壊滅、体制の指導部の排除、ミサイル・ドローン発射能力の破壊、テロ代理組織の支援能力の粉砕、核兵器開発能力の剥奪などの成果があったと主張し、「決定的で圧倒的な勝利だ」と述べた。その一方で、「目標が完全に達成されるまで作戦を継続する」として、「今後2~3週間でイランを徹底的に攻撃する」と表明した。同時に、新指導部(注1)との協議は継続中とし、合意に至らない場合には、複数の発電施設への追加攻撃も検討する考えを明らかにした。

国内経済への影響に関しては、国民のガソリン価格高騰への懸念に言及し(注2)、その要因をイランによる石油タンカー攻撃にあると非難した。一方で、米国内の石油・ガス増産やベネズエラからの調達により、「われわれは非常に良い状態にある」と述べた。また、インフレは発生していないとした上で、対米投資の拡大、株式市場の最高値更新、減税政策の実施などを挙げ、米国経済は好調だとの認識を示し、国民の不安の払拭を図った。

さらにトランプ氏は、米国はペルシャ湾のエネルギー資源に依存していないと強調しつつ、これに依存する諸外国・地域に対しては「率先して行動すべき」と述べた。具体的には、(1)米国から石油を購入すること、(2)ホルムズ海峡に自国の部隊を派遣し船舶を護衛することを提言した。

(注1)マルコ・ルビオ国務長官は3月30日に米国メディア「ABC」に出演外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますし、「新指導部」について、現体制内の既存指導部と異なる方向に進もうとする人々のグループと説明している。

(注2)3月中旬の米国の世論調査では、回答者の85%がガソリン価格の上昇を実感している(2026年3月25日記事参照)。

(葛西泰介)

(米国、イラン、イスラエル)

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