トランプ米大統領がイラン攻撃成功を発表、長期化による経済・政治的リスクの懸念も
(米国、イラン)
ニューヨーク発
2026年03月03日
米国のドナルド・トランプ大統領は3月1日、イランに対する軍事行動の「エピック・フューリー(壮絶な怒り)作戦」を実行したと発表
した。連邦議会が作戦の実行を歓迎する一方、中東情勢を巡る混乱が長期化することによる石油価格の高止まりや中間選挙への影響が指摘されている。
トランプ氏は発表で作戦の目的に、イランの差し迫った核の脅威の排除、弾道ミサイル兵器庫の破壊、テロ組織ネットワークの弱体化、海軍戦力の壊滅、また、政権の打倒を挙げた。発表に先立って2月28日に、自身のSNSで、イランの最高指導者アリー・ハーメネイー師が死亡したと明らかにした。今回の軍事作戦に対して、連邦議会は上院の外交委員会
、下院の外交委員会
ともに、歓迎する声明を発表している。
一方で、首都ワシントンの専門家は、混乱が長期化すると分析している。外交問題評議会(CFR)
は2月28日、「ハーメネイー師を排除することは、政権交代と同義ではない。イスラム革命防衛隊(IRGC)こそが政権そのものである」と指摘した。さらに、空爆だけでは政権交代という目標を達成できる可能性は極めて低い一方、もし米国が地上部隊をイランへ投入すれば、甚大な犠牲を伴い、作戦失敗のリスクが飛躍的に高まると警鐘を鳴らした。その上で「大統領は、(政権交代の)目標を引き下げるか、長期化し苛烈を極め、失敗に終わる可能性のある軍事作戦をリスクとして負うかの選択を迫られる」と分析した。戦略国際問題研究所(CSIS)
も同日、「作戦は、イランとの長期にわたる紛争の始まりである可能性が高い」「今後、管理が困難となる広範かつ拡散した紛争へと変貌する可能性がある」と、指摘している。
イランへの攻撃が、ホルムズ海峡を航行中の複数の石油タンカーに対する報復攻撃を引き起こしたことにより(2026年3月2日記事参照)、3月1日の米国の石油価格は10%以上高騰し、一時1バレル75ドルとなった。戦争が長期化すれば、石油価格は100ドルを超えるとも予測されている。政治専門紙「ポリティコ」(3月1日)は、「ペルシャ湾周辺での敵対行為が続く限り、価格は高止まりし、ガソリン価格にもすぐに波及するだろう」とした上で、11月に控える中間選挙の争点が「手頃な価格(affordability)」となる中(2026年2月25日記事参照)、「トランプ氏によるイランへの軍事攻撃の政治的リスクを浮き彫りにした」と伝えた。
(赤平大寿)
(米国、イラン)
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