中国、米国に対する2件の貿易障壁調査を開始
(中国、米国)
北京発
2026年04月02日
中国商務部は3月27日、米国に対して2件の貿易障壁調査を開始すると発表した。貿易障壁調査とは、中国の貿易相手の国や地域による、中国に対する貿易障壁の負の影響を取り除くことなどを目的に実施される調査とされる。調査対象措置が貿易障壁に該当すると認定された場合は、商務部は、(1)中国と相手国・地域など双方による協議、(2)多国間紛争解決手続きの発動、(3)その他の適切な措置を実施することとされる。商務部による同日の発表内容は次のとおり。
(1)米国によるグローバル産業・サプライチェーンを損なう行為・措置に対する貿易障壁調査
商務部公告2026年第17号
で、米国によるグローバル産業・サプライチェーンを損なう行為・措置に対し、貿易障壁調査開始の決定を公告した。同調査は即日開始し、実施期間は6カ月間を予定する。調査対象になる行為・措置には、中国製品の米国市場への参入の制限または禁止、ハイテク製品の対中輸出の制限または禁止、および重要分野における双方向の投資の制限または禁止などが含まれている。
(2)米国によるグリーン製品の貿易を阻害する行為・措置に対する貿易障壁調査
商務部公告2026年第18号
で、米国によるグリーン製品の貿易を阻害する行為・措置に対し、貿易障壁調査開始の決定を公告した。同調査は即日開始し、実施期間は6カ月間を予定する。調査対象になる行為・措置には、グリーン製品の対米輸出の制限、新エネルギープロジェクトの展開の遅延、グリーン製品に関連する技術協力の制限などが含まれている。
なお、(1)(2)いずれの実施期間についても、特殊な状況下においては、さらに3カ月以内の延長を可能としている。
商務部は同日の報道官談話で、2件の貿易障壁調査の背景などについて説明した。説明の中では、米国通商代表部(USTR)が「過剰生産能力」を理由に中国など16の国・地域に対して301条調査(2026年3月12日記事参照)を開始し、また「強制労働産品の輸入を効果的に禁止していないこと」を理由に中国など60の国・地域に対して301条調査(2026年3月13日記事参照)を開始したことに対し、中国は断固として反対すると表明した(注1)。また、中国の関連産業の利益を守るため、対外貿易法と対外貿易障壁調査規則(注2)の関連規定に基づき、米国による対中国の2件の301条調査に対し、対等な措置として2件の貿易障壁調査を開始したと解説した。
さらに、次のステップとして、商務部は関連規定に基づき、米国に対する貿易障壁調査を推進し、調査状況に応じて相応の措置を講じ、自国の正当な権益を断固として守るとした。
(注1)商務部の王文涛部長は3月26日、カメルーンのヤウンデで開催されたWTO第14回閣僚会議に出席し、USTRのジェミソン・グリア代表と会談した。会談において、王部長は米国がいわゆる「過剰生産能力」や「強制労働産品の輸入を禁止していないこと」を理由に、中国を含む複数の国・地域に対して301条調査を開始したことなどについて、強い懸念を表明した。
(注2)同規則の詳細についてはジェトロ調査レポート「中国の『貿易障壁調査』について
(449KB)」(2023年9月)を参照。
(蔣春霞)
(中国、米国)
ビジネス短信 f46530cf99366a7e





閉じる