経営者の96%、エネルギー価格上昇に伴うコスト増に直面

(シンガポール、中東)

シンガポール発

2026年04月22日

シンガポール国家雇用者連合(SNEF)が4月20日に発表した国内の経営者を対象として実施した最新調査結果によると、経営者の96%がエネルギー価格上昇に伴うコスト増に直面していると回答した。また、53%が人件費の増加を懸念していると答えた。コスト増を受けて、一部の企業では採用の凍結や事業拡大計画の延期に踏み切っていることが分かった。

調査は4月10~16日に実施され、製造業、サービス業、建設業などの経営者210人が回答した(うち153人は中小企業経営者)。コスト増に直面すると回答した経営者のうち、41%が「11~25%のコスト増加」、36%が「1~10%の増加」、19%が「25%以上の増加」と答えた。特に影響の大きいコスト項目は、光熱費(回答者の70%)、燃料費(同70%)、資材・材料費(同59%)、航空・陸上輸送費(同53%)だった。

エネルギー価格などのコスト増にもかかわらず、人員体制や職場体制を変えていないと答えた経営者は83%に上った。一方、体制を変えたと答えた17%の企業の対応策のうち最も多かったのは、雇用凍結と事業拡大計画の延期(67%)だった。次いで、人員再配置や業務相互研修(33%)、退職などによる自然減(33%)だった。

また、経営者の39%が向こう6~12カ月の経営見通しに悲観的であることが分かった。背景には、足元のコスト増圧力に加え、国際経済や貿易の混乱拡大への懸念がある。今後12カ月間、エネルギー価格の上昇が継続した場合に必要な政府の支援については、83%が「税制面での優遇措置や資金援助など事業コスト支援」、77%が「エネルギーコスト支援や補助金」、55%が「コスト増につながる人材政策の導入の延期」と答えた。

政府は2026年度政府予算(2月12日発表)で、外国人の幹部・専門職向け就労査証「エンプロイメント・パス(EP)」と中技能者向け就労査証「Sパス」について、2027年から発給基準となる最低基本月給をそれぞれ引き上げる方針を示していた(2026年2月18日記事参照)。また、中東情勢の悪化を受け、4月7日には、総額10億シンガポール・ドル(約1,250億円、Sドル、1Sドル=約125円)規模の法人や国民向けの支援を発表している(2026年4月16日記事参照)。

(本田智津絵)

(シンガポール、中東)

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