シンガポール政府、中東情勢悪化で総額10億Sドルの支援策発表
(シンガポール、中東)
シンガポール発
2026年04月16日
シンガポールのジェフリー・シオ運輸相代行兼上級国務相財務担当は4月7日の議会声明で、中東情勢悪化を受け、総額で約10億シンガポール・ドル(約1,250億円、Sドル、1Sドル=約125円)規模の企業や国民への生活支援策を発表した。2026年度(2026年4月~2027年3月)政府予算
で導入された法人や国民への支援策について、その内容を拡充するとともに、前倒しで導入する。
シオ運輸相代行は、現時点で中東情勢による電気料金や食品価格などへの影響が十分に反映されていないものの、「政府として対応策を待たない」と述べた。中小企業を中心とした法人向けの支援として、2026年度政府予算で発表した法人税リベート(払い戻し)の割合を40%から50%に引き上げた。また、払い戻し総額の上限を3万Sドルから4万Sドルに引き上げるとともに、適格企業に対する現金給付額を1,500Sドルから2,000Sドルへ増額した。さらに、法人向けに省エネ機器導入を支援する「エネルギー効率化補助金(EEG)
」の適用対象を6分野から全分野へ拡大した。
生活支援としては、国民全世帯に対する500Sドルのデジタル商品券(CDCバウチャー、注1)の給付時期を、2027年1月から2026年6月に前倒しにする。また、2026年9月に予定されている生活支援の現金特別給付についても、給付額を200Sドル上乗せし、国民1人当たり400Sドルから600Sドルが給付される予定。さらに、ガソリン価格上昇の影響を受けているタクシーやハイヤー運転手への支援として、2026年4月に200Sドルの現金給付することを新たに発表した(注2)。
中東危機対応で、国内危機対策閣僚委を招集
ガン・キムヨン副首相兼貿易産業相は同日の議会声明で、アジア向け原油やガスの8割以上が輸送されるホルムズ海峡の閉鎖について、「1973年の石油危機以来、最悪の混乱」との認識を示した。ローレンス・ウォン首相兼財務相は4月2日、国民向けのビデオメッセージで、今回の危機に対応するため「国内危機対策閣僚委員会(HCMC)」を招集したと発表していた。
HCMCは13人の委員で構成され、委員長がK・シャンムガム内務相兼国家安全保障調整相で、ガン副首相が顧問に就任した。同委員会は、(1)エネルギーと食料安全保障、(2)その他必需品の供給確保、(3)国内外の安全保障動向、(4)国民への支援策と広報、(5)外交関係、の課題に対応する。
(注1)CDCバウチャーは、対象となるスーパーマーケットや公団住宅の店舗、フードコートで使用可能なデジタル商品券。
(注2)中東情勢悪化に伴う国民、企業、労働者への支援策の詳細は、財務省のサイト
を参照。
(本田智津絵)
(シンガポール、中東)
ビジネス短信 e0028ec3e6e9c9bb





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