2025年の日本の対外直接投資額は前年比3.8%増、欧州・米国向けが牽引
(日本、世界、欧州、米国)
調査部国際経済課
2026年04月10日
財務省は4月8日、2025年の日本の国際収支統計の年次改定値(国・地域別
、業種別
)を発表した。2025年の日本の対外直接投資額は前年比3.8%増の32兆6,236億円(ネット、フロー)と3年連続で増加した。対内直接投資額は6兆9,171億円(ネット、フロー)で前年比2.4倍の大幅増となった。対内直接投資では、負債性資本(注1)の額が大幅に増加したことが金額引き上げの要因となった(2026年2月16日記事参照)。
対外直接投資の主要地域別では、欧州が前年比43.3%増の12兆3,035億円と最大で、地域別で2020年以降首位だった北米を抜いた。次いで北米が9兆5,451億円(前年比22.0%減)、アジアが6兆197億円(1.9%減)だった(添付資料表1参照)。単一国・地域別としては、米国が8兆9,693億円と、首位を維持した。米国では2025年6月に日本製鉄によるUSスチール買収が完了したものの(2025年6月19日記事参照)、第4四半期(10~12月)に卸売・小売業で大幅な引き揚げがあり、前年比24.0%減となった。一方、スイス(6兆986億円)は第4四半期に卸売・小売業で多額の流入があり、前年の5.6倍の投資額となった。次にオランダ(2兆9,740億円、前年比5.9%減)、シンガポール(1兆6,055億円、21.9%減)、英国(1兆3,543億円、8.1%減)、インド(1兆1,406億円、35.0%増)が続いた。インドでは、金融・保険業が前年比51.6%増と顕著な成長を示し、投資総額は過去最高を更新した。一方、中国は2,488億円(前年比29.2%減)と、投資実行額の縮小により減少した。中国向けの投資は4年連続で減少基調を続けた。
業種別にみると(注2)、対外直接投資では、非製造業が前年比30.8%減の15兆9,158億円と減少に転じたのに対し、製造業が11兆9,340億円を記録し、前年比50.5%増と好調だった(添付資料表3参照)。非製造業では、金融・保険業(6兆8,957億円、前年比27.6%減)が最大となり、卸売・小売業(2兆1,441億円、54.8%減)、鉱業(1兆5,715億円、4.4%減)が続いた。製造業では、輸送機械器具(2兆6,944億円、95.8%増)が大幅増となり、鉄・非鉄・金属(2兆6,165億円、3.9倍)、化学・医薬(2兆996億円、6.1%増)が続いた。輸送機器関連では、横浜ゴムが2025年2月、米国グッドイヤーの鉱山・建設用車両向けタイヤ事業の買収(9億500万ドル)を完了した(注3)。
対内直接投資の主要地域別では、欧州が2兆8,116億円(前年比24.1%増)で最大で、アジアが2兆1,836億円(32.0%増)、北米が1兆5,384億円で続いた(添付資料表2参照)。主な投資元の国・地域は、米国が1兆8,579億円、シンガポールが1億2,177億円(前年比3.0倍)、英国9,746億円、スイス9,456億円(前年比0.9%増)だった。
業種別にみると、対内直接投資では、非製造業が1兆2,271億円と(前年比16.1%減)、製造業の9,161億円(64.1%増)を上回り、サービス分野中心の構造が継続している(添付資料表3参照)。非製造業では、金融・保険業が引き続き最大で1兆1,480億円(53.8%増)だった。通信業4,984億円(14.6%増)も堅調に推移し、デジタル分野への投資が継続している。製造業では、化学・医薬品が6,193億円(前年比3.2倍)と急増した。
(注1)負債性資本とは、直接投資関係にある当事者間の資金貸借や、債券の取得処分を指す。
(注2) 国・地域別はIMF国際収支マニュアル第6版(BPM6)基準の資産負債原則、業種別は親子関係原則に基づくため、国・地域別/業種別の世界計は一致しない。詳しくは日本銀行ウェブサイト
を参照。
(注3)横浜ゴムのプレスリリース
およびワークスペース(LSEG)参照。
(馬場安里紗)
(日本、世界、欧州、米国)
ビジネス短信 c0432d7740251390





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