米USTR、イスラエルの農産品市場開放を評価、貿易の技術的障壁では課題も
(米国、イスラエル、EU)
テルアビブ発
2026年04月10日
米国通商代表部(USTR)は3月31日に公表した2026年版「外国貿易障壁報告書(NTE)」(2026年4月2日記事参照)において、イスラエルについて農産品分野を中心に市場開放に向けた制度整備を進めていると評価する一方、貿易の技術的障壁(TBT)や政府調達分野では、外国企業にとって留意すべき制度上の課題が残っていると指摘した。
報告書は農産品分野について、2004年に締結された米国・イスラエル農産品貿易協定(ATAP)の位置付けが変化した点を挙げた。ATAPはこれまで期限到来後も暫定的な延長を繰り返す枠組みとして運用されてきたが、2025年12月に両国が同協定を恒久化するための修正合意に署名済みであり、今後、イスラエル側が国内の法的手続きを完了次第、新たな協定が発効する見通しとしている。
USTRは、新たなATAPの内容として、米国産の農産品および水産品412品目について関税が即時に撤廃され、残る51品目についても10年間で段階的に関税が撤廃される点を示した。これにより、これまで高関税や複雑な関税割当制度の対象となっていた農産品について、関税が即時または一定期間後に撤廃されるとしている。
一方、報告書では、TBTにおける制度運用について言及している。イスラエルは2024年8月に標準法などを改正し、EUの技術規則・規格に適合する製品について、自己適合宣言による輸入を認める制度を導入した(2025年11月20日記事参照)。この制度は2025年1月から一部施行されており、農産品を含む多くの消費財が対象となっている。
報告書は、米国の技術規格や国際規格に基づいて製造された製品については、引き続きイスラエル規格協会による追加的な承認が必要とされている点を指摘した上で、米国からイスラエルへの輸出に影響を及ぼす可能性があるとの懸念を表明した。
政府調達分野について、USTRはイスラエルがWTOの政府調達協定(GPA)の締約国である一方、オフセット制度(契約締結の見返りとしてローカルコンテント、技術移転、投資、カウンター・トレードなどを要求すること)を引き続き運用していると指摘している。GPA対象案件では契約額の20%、対象外案件では35%、軍需分野では50%のオフセット義務が課されていると指摘し、これが外国企業、とりわけ中小企業の参入を制限する要因となっているとしている。
(中溝丘)
(米国、イスラエル、EU)
ビジネス短信 a7e13be6605d569a





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