イスラエルの輸入制度改革、EUとセミナー、米国基準も導入へ

(イスラエル、EU、米国)

テルアビブ発

2025年11月20日

イスラエル商工会議所連合会(FICC)は11月12日、EUイスラエル代表部と共催で、イスラエルの輸入制度改革に関するセミナーを開催した。同改革は「欧州に良いことはイスラエルにも良い」との方針の下、EU規制や基準に適合する製品をイスラエルで追加検査や承認なしに販売可能とするもので、輸入障壁の低減、製品輸入に要する時間・コストの削減、競争促進およびイスラエルの生活費低減を目的としている。

改革は2段階で進められ、第1段階は2024年7月からEU規則に適合する製品の港湾検査を撤廃し、輸入者の申告に基づく貨物の引き渡しが実施された。第2段階ではEU基準に基づく輸入への移行が進み、EU規則に適合する製品はイスラエル基準を満たさなくても輸入可能となった。対象分野は段階的に拡大しているが、一部製品については、追加条件や追加書類の提出が必要な場合もあるとしている。

輸入者は「適正輸入業者」として登録し、製品がEU規制に適合していることを宣言する文書などを保管する義務を負う。また、EU域内で流通する危険な製品の通報システム(RAPEX)などEUのリコール制度に準拠し、問題が発生した場合には迅速な報告、回収対応が求められる。EU規制対応の輸入経路は、EU製品だけでなく、他地域で製造されても欧州規制に適合し、EU市場で販売されている製品にも適用される。

イスラエル経済産業省は11月11日、米国規制に準拠した製品の輸入を可能にする新たな改革案を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。これにより、米国で製造され、米国の安全基準を満たす製品をイスラエル市場に投入できるようになるとしている。第1段階は2026年後半に開始予定で、対象製品には子供用玩具や家具、マットレス、哺乳関連用品、自転車、食器、食品包装材、清掃用品などが含まれるという。

イスラエルの輸入制度改革「欧州に良いことはイスラエルにも良い」の詳細については、イスラエル政府の資料PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を参照。

(アリサ・ノスキン、中溝丘)

(イスラエル、EU、米国)

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