インド政府、燃料供給などの安定確保策を説明

(インド、中東)

ベンガルール発

2026年04月30日

昨今の中東情勢の緊迫化を受け、インド政府は4月24日、石油・天然ガス省、港湾・海運・水路省、外務省の担当者による合同記者ブリーフィングを実施し、燃料供給、物流、産業向けエネルギーの安定確保に向けた対応状況を説明した。

石油・天然ガス省からは、次の説明があった。国内のガソリン、軽油、液化石油ガス(LPG)、都市ガス(PNG)について、製油所の高稼働と在庫確保により供給は維持されている。家庭用LPGや圧縮天然ガス(CNG、主に輸送用)は100%の供給を継続しており、商業用LPGについても、病院や医薬品、鉄鋼、自動車、農業などの産業分野を優先対象として、危機前水準の約70%まで供給を回復させている。

産業活動への影響が大きい天然ガス分野では、肥料工場向け供給を直近6カ月の平均消費量の約95%まで引き上げたほか、その他の工業・商業分野向け供給も最大80%まで拡大した。都市ガス網の拡充を目的に、パイプライン敷設の許認可手続きを簡素化・迅速化する「2026年天然ガスおよび石油製品流通令」が3月24日に公布され、PNGへの燃料転換が政策的に後押しされている。

原油価格の上昇に対しては、政府がガソリン・軽油の物品税を1リットル当たり10ルピー(約17円、1ルピー=約1.7円)引き下げ国内価格の安定を図る一方、軽油や航空燃料の輸出課徴金を引き上げた。これにより、国内市場向け石油製品の供給確保を重視する姿勢が示されている。

また、港湾・海運・水路省は、ペルシャ湾周辺でのインド籍船舶への影響は過去24時間確認されておらず、国内港湾の稼働や物流に大きな支障は出ていないとした。

インド政府はこれまで、特定分野への天然ガスの優先供給(2026年3月13日記事参照)や、原油調達の多様化としてイランからの調達を約7年ぶりに実施する(2026年4月9日記事参照)など、経済活動や市民生活への影響を抑える取り組みを行ってきた。政府は引き続き、エネルギー供給と物流の安定確保を最優先事項として対応を進めるとしている。

(大野真奈)

(インド、中東)

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