1~3月の輸出入はともに前年同期より増加、貿易赤字は4カ月連続、石油製品の輸入が拡大
(ベトナム、中東)
ホーチミン発
2026年04月20日
ベトナム税関局が発表した速報値によると、2026年第1四半期(1~3月)の輸出は1,229億2,790万ドル(前年同期比19.0%増)、輸入は1,265億6,922万ドル(27.0%増)で、輸出入ともに前年同期を上回った。貿易収支は36億4,131万ドルの赤字だった。貿易赤字は4カ月連続。一方、対米黒字は24.2%増の338億9,710万ドルに上る。
輸出は堅調に伸びているが、国内企業(ベトナム企業)の輸出に限ると、16.8%減の247億2,289万ドルで勢いを欠いた。一方で、外資系企業は33.6%増の982億502万ドルと大きく伸び、輸出額全体の79.9%を占め、ベトナムの輸出の伸びが外資系企業主導であることが鮮明だ。
主要国・地域別にみると、輸出は1位の米国が390億3,266万ドル(前年同期比24.3%増)、2位の中国が168億4,708万ドル(26.4%増)、3位の韓国が81億3,898万ドル(19.6%増)だった。(添付資料表1参照)。上位10カ国・地域で輸出総額の73.4%を占めた。
輸入は、1位の中国が501億344万ドル(前年同期比31.6%増)、2位の韓国が187億3,449万ドル(34.5%増)、3位の台湾が100億9,532万ドル(47.9%増)だった(添付資料表2参照)。上位3カ国の各国で輸入額が100億ドルを超え、前年同期比でもそれぞれ30%以上増加した。
輸出を主要品目別にみると、1位はコンピュータ電子製品・同部品、2位は電話機・同部品、3位は機械設備・同部品だった(添付資料表3参照)。コンピュータ電子製品・同部品は前年同期比で45.5%増加している。うち、最大の輸出市場である米国への輸出は66.5%増の123億6,314万ドルで、同品目の輸出額の40.2%を占めた。中国からの生産移管が進み、体制が整ってきたことで、輸出額が急激に増えたものとみられる。
輸入は、1位がコンピュータ電子製品・同部品、2位は機械設備・同部品、3位は織布・生地だった(添付資料表4参照)。コンピュータ電子製品・同部品は前年同期比50.5%増加した。石油製品の輸入は顕著に拡大した。ベトナムでは石油製品の大半を輸入に依存する産業構造にあるが、同製品の輸入額は前年同期比で77.8%増加、輸入量も前年同期比で44.5%増加した。輸入相手国・地域では韓国やシンガポール、マレーシアなどの近隣国から輸入しており、中東情勢の緊迫化による供給懸念への対応として(2026年4月7日記事参照)、輸入量がさらに増えたものとみられる。原油についても、ベトナムは原油産出国だが、国内需要の全てを賄うことはできず、主に中東諸国からの輸入で賄っている。原油の輸入額は前年同期比で24.1%減少、輸入量も15.4%減少したが、3月単月に限ってみると、輸入額は価格急騰により前月比14.3%増加、輸入量はホルムズ海峡の通行停止状態などによる中東からの輸送量減少が影響(2026年3月4日記事参照)し、12.1%減少した。
米国向けの輸出を主要品目別にみると、1位はコンピュータ電子製品・同部品(前年同期比65.5%増)、2位は機械設備・同部品(16.8%増)、3位は縫製品(3.7%増)だった(添付資料表5参照)。2026年2月には米国の関税政策に動きがあった(2026年2月24日記事参照)ものの、好調を維持している。
中国からの輸入を主要品目別にみると、1位はコンピュータ電子製品・同部品、2位は機械設備・同部品、3位は織布・生地だった(添付資料表6参照)。中国からの工場設備の移設や部材の輸入が続いているものとみられる。
(小林真龍)
(ベトナム、中東)
ビジネス短信 9e79de7c283e913b





閉じる