米・イスラエルの対イラン軍事行動から2カ月、停戦は維持も協議は膠着
(米国、イラン、イスラエル、レバノン、パキスタン、オマーン、ロシア、中東)
テルアビブ発
2026年04月28日
米国とイスラエルによる対イラン軍事行動(2026年3月2日記事参照)が始まってから、4月28日で2カ月が経過した。4月上旬までは大規模な軍事的応酬が続き、戦闘は中東のペルシャ湾岸地域や紅海を含む広範な地域に拡大したが、米国東部時間4月7日夕刻に米国とイランは一時的な停戦に合意した(2026年4月8日記事参照)。さらに、イスラエルとレバノン間でも米国東部時間4月16日から停戦が維持されており、(2026年4月17日記事、2026年4月24日記事参照)、軍事衝突はいったん沈静化している。
もっとも、停戦はいずれも暫定的措置にとどまり、外交面では膠着(こうちゃく)が続いている。米国とイランは4月中旬にパキスタンのイスラマバードで対面形式の協議を行ったが、核問題などを巡る立場の隔たりから合意形成には至らなかった(2026年4月13日記事参照)。停戦と緊張が併存する中、エネルギー輸送と国際物流を取り巻く先行きには、依然として不透明感が残っている。
米国とイランの協議が膠着する中、イランのアッバース・アラーグチー外相は4月25日以降、パキスタン、オマーン、ロシアを相次いで訪問し、軍事衝突の終結と地域安定に向けた調整を進めた。アラーグチー外相はパキスタン訪問後、自身のX(旧Twitter)で、「イランに対する戦争を恒久的に終結させるための『実行可能な枠組み(workable framework)』を提示した」と明らかにした。さらに、同訪問を「非常に実りあるものだった」と評価した。その一方で、「米国が本当に外交に真剣かどうかは、なお見極めが必要だ」との認識も示した。
パキスタン訪問に関するイランのアラーグチー外相のコメント画面〔X(旧Twitter)のアラーグチー外相の公式アカウントより〕
米メディア「アクシオス」(4月26日付)によると、イランが仲介国のパキスタンを通じて、米国に新たな提案を示したという。その内容は、ホルムズ海峡と米国の海上封鎖を巡る危機の解消を優先し、停戦を長期間延長するか、あるいは恒久的な戦争終結に合意することを目指す一方、核交渉については、海峡が再び開放され、封鎖が解除された後に開始するという段階的な枠組みだ。
これに対し、米国ホワイトハウスのキャロライン・レビット報道官は4月27日の記者会見
で、イラン側の新たな提案について、米国のドナルド・トランプ大統領が同日午前に国家安全保障担当チームと協議したことを明らかにした。その一方でレビット報道官は、イランに関するトランプ大統領の「レッドライン」は、米国民だけでなく、イラン側に対しても明確に示されていると強調した。本件については、追ってトランプ大統領自身から直接説明が行われるとの見通しを示した。
イスラエルの軍事衝突の関連情報は、イスラエルとハマスの衝突の特集、イスラエル・米国とイランの衝突を巡る中東情勢関連情報を参照。
(中溝丘)
(米国、イラン、イスラエル、レバノン、パキスタン、オマーン、ロシア、中東)
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