米エアタクシーのジョビー、ニューヨーク市で初の実証飛行を実施

(米国)

ニューヨーク発

2026年04月30日

電動垂直離着陸機(eVTOL、いわゆる「エアタクシー」)の開発企業ジョビー・アビエーション(注1)は4月27日、ニューヨーク市では初となる実証飛行を実施したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。市内にあるジョン・F・ケネディ国際空港(JFK)を出発し、マンハッタン島の南端にあるダウンタウン・スカイポート〔JFKからの想定距離約20マイル(約32キロメートル)〕や、島内のミッドタウンにあるヘリポートなど、複数の地点に着陸した。実装されれば、現在マンハッタンから1〜2時間を要するJFKへの移動が、わずか10分未満のフライトに短縮されることになる。

運航にあたっては、ヘリコプター事業を手掛けるブレード・エア・モビリティの旅客事業を買収し、同社のターミナル網などを利用したライドシェアを展開する。運賃は1マイル当たり約6ドルと、配車サービス「ウーバー・ブラック」(注2)と同程度を目指しており、実現すれば既存の交通手段と競争力のある水準になる見込みだ。

今回の実証飛行は、米連邦政府が主導する「eVTOL統合パイロットプログラム(eIPP)」(注3)の一環として、ジョビーとニューヨーク・ニュージャージ港湾公社(注4)が共同で実施した。米国政府は、eVTOLを広義のドローンと位置づけ、州や地方自治体、部族や準州などの政府機関と民間企業の連携により、先進航空モビリティ(AAM)として実用化を推進するとともに、規制の整備や運用ルールの策定も念頭に置いた取り組みを進める方針だ。

米国を拠点とするコンサルティング企業のボストン・コンサルティング・グループ(BCG)は2025年9月、eVTOL市場に関する調査レポート「Whitepaper on China’s Manned eVTOL Market外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を発表した。それによれば、eVTOLの世界市場規模は2025年時点で推定1億ドル未満から2035年には1,250億ドル、2040年には2,250億ドルに成長するとしている。地域別には、個人用(注5)、商用ともに中国を上回り、北米が最大のシェアを占めるとみている。その中でもジョビー・アビエーションが主要プレーヤーの1つとして位置付けられており、今後の事業展開が注目される。

(注1)2009年にカリフォルニアで設立。トヨタを最大の出資者とし、米国では配車サービスのウーバー・テクノロジーズや、米航空会社のデルタ航空などと提携して、実用化を進めている(2025年9月22日記事参照)。

(注2)ウーバー・テクノロジーズが提供する高級車による配車サービス。

(注3)2025年6月6日に発表された大統領令(14307号)「米国のドローン覇権を解き放つ大統領令」に基づき設定された(2026年3月19日記事参照)。同大統領令は、安全保障の観点から、無人航空機システム(UAS、通称ドローン)および関連産業における米国内製造の強化や、サプライチェーンの構築、および海外市場への輸出拡大を目的としている。

(注4)ニューヨーク州、ニュージャージー州にある空港や橋、トンネル、鉄道などを管理する公共機関。

(注5)BCGは、ライドシェア以外にも、北米における富裕層による高級フライト体験、最先端技術、アウトドアレジャーへの需要も伸び、2040年時点で全eVTOLの55%を個人利用が占めるようになるとみている。

(大原典子)

(米国)

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