米連邦航空局、全米26州・8件のeVTOL実証を選定し、2026年夏にも運航へ

(米国)

サンフランシスコ発

2026年03月19日

米国連邦航空局(FAA)と米国運輸省(DOT)は3月9日、「電動離発着機統合実証プログラム(eVTOL Integration Pilot Program、eIPP)」において8件の提案を正式選定したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。同プログラムは、垂直離着陸機(eVTOL)および先進航空モビリティ(AAM、注1)の実証運航を行うもので、実証運航から得られたデータを将来の規制整備に反映する。2026年夏にも運航開始となる見込みだ。

eIPPは、「米国のドローン覇権を解き放つ大統領令(Unleashing American Drone Dominance)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」(2025年7月18日記事参照)に基づき設立されたプログラムだ。全米から寄せられた30以上の応募から選定された8件の提案は、全米26州において、都市型エアタクシー、地域旅客輸送、貨物・物流ネットワーク、救急医療対応業務、自律飛行技術、オフショアおよびエネルギー分野の輸送など、多様な運航を実証する。

米国のeVTOLおよび電動航空機メーカーは、商業運航前に実証運航の場を確保したかたちだ。ベータ・テクノロジーズ(本社:バーモント州サウスバーリントン)は、8件中7件に関与するなど電動航空機メーカーの中で最多の採択となったと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。貨物・医療物資の物流、臓器輸送など産業領域で固定翼(CTOL)タイプに加えて、垂直離着陸(VTOL)(注2)輸送を行うプロジェクトに参加する。このほか、ジョビー・アビエーション(本社:カリフォルニア州サンタクルーズ)が5件、アーチャー・アビエーション(本社:カリフォルニア州サンノゼ)とエレクトラ・エアロ(本社:バージニア州マナッサ)3件などが選定された。また、ジョビー・アビエーションは3月13日、サンフランシスコ湾上でゴールデンゲートブリッジ上空を巡る有人デモ飛行を実施し、都市圏での静粛性・運航適合性を実証したことを発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。こうした動きを背景に、エアタクシー分野への注目が高まっている(2025年3月24日付地域・分析レポート参照)。

(注1)電動推進・高い自動化・VTOLなどの新技術を活用し、新型航空機〔eVTOL・電動短距離航空機(eSTOL)・ハイブリッド機など〕を都市・地域交通、物流、緊急医療などに安全統合する新しい航空輸送システムの総称。

(注2)固定翼が滑走路を使い、前進する速度により空気流で揚力を得て離着陸する方式。

(芦崎暢)

(米国)

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