米エアタクシーのジョビー、2026年からウーバーアプリで利用可能に

(米国)

サンフランシスコ発

2025年09月22日

電動垂直離着陸機(eVTOL)、いわゆる「エアタクシー」を開発する米国のジョビー・アビエーション(本社:カリフォルニア州)は9月10日、都市型エアモビリティー大手ブレード・エア・モビリティー(本社:ニューヨーク州)のヘリコプター便を2026年にも配車大手ウーバーのアプリで利用可能とする計画を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。ジョビーは8月29日にブレード・エアとの統合を発表し、ニューヨーク都市圏や南欧の空港へのアクセス便など高需要路線から展開し、将来的にはeVTOLの商用便の早期拡大につなげる方針を示していた。

ジョビーは8月にブレード・エアの旅客事業を1億2,500万ドルで取得した。ブレード・エアは2024年に延べ5万人以上を輸送し、ニューヨーク都市圏のジョン・F・ケネディ国際空港、ニューアーク国際空港とマンハッタンやハンプトンズを結ぶ高需要ルートを運航してきた。

ジョビーのジョーベン・ビバート創業者兼最高経営責任者(CEO)は「ウーバーの利用者にシームレスな都市型の空の移動を提供できることを楽しみにしている。ブレード・エアのヘリコプター便をウーバーアプリで利用可能にすることは、静かで温室効果ガスを排出しない機体を導入するための基盤となる」と述べた。ウーバーのアンドリュー・マクドナルド社長兼最高執行責任者(COO)は「ウーバーは創業当初から先進的なエアモビリティーが持つ力を確信してきた。ジョビーとの提携により、次世代の移動体験を顧客に届けたい」とコメントした。

2020年にはジョビーがウーバーのエアタクシー部門「エレベート」を買収し、2021年には上場のみを目的に設立された特別買収目的会社(SPAC)のリインベント・テクノロジー・パートナーズとの合併を通じてニューヨーク証券取引所に上場し、正式に公開企業となった。トヨタなど大手からの出資も受け、ウーバーも現在、ジョビー株の約2.5%を保有している(2025年3月24日記事参照)。

eVTOL業界では、ドイツのボロコプターやリリウムが経営破綻し、韓国の現代自動車グループ傘下のスーパーナルも従業員削減や経営陣退任に直面している。一方、ジョビーは2026年にドバイでの商用サービス開始を予定し、ニューヨーク、ロサンゼルス、英国、日本などでの展開を計画している(2025年8月12日記事参照)。

(松井美樹)

(米国)

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