ブラジル、燃料価格抑制に向け新たな措置を導入

(ブラジル、中東)

サンパウロ発

2026年04月16日

ブラジル政府は4月7~8日、中東情勢の緊張激化に伴う国際原油価格の上昇(2026年3月9日記事参照)を受け、国内燃料価格の抑制を目的として、大統領暫定措置令(MP)第1,349号および政令第12,923号、第12,924号を公布し、即日施行した。MP第1,349号の主な内容は次のとおり。

(1)ディーゼル生産者への追加助成:3月12日付MP第1,340号により導入された、ディーゼル生産者に対する1リットル当たり0.32レアル(約10円、1レアル=約31.8円)の助成金(2026年3月18日記事参照)に加え、新たに1リットル当たり0.80レアルの助成金を交付する。実施期間は2026年5月31日まで。予算はMP第1,340号で定めた総額100億レアルに含まれる。

(2)ディーゼル輸入者への追加助成:MP第1,340号に基づく1リットル当たり0.32レアルの助成金に加え、輸入者に対し、さらに1リットル当たり1.20レアルの助成金を交付する。実施期間は2026年5月31日まで。ただし、総額40億レアルに達した時点で終了する。なお、州政府は同制度に参加することが可能で、その場合、助成額の50%を負担する(注1)。

(3)液化石油ガス(LPG)輸入者への助成:LPG輸入者に対し、1トン当たり850レアルの助成金を交付する。実施期間は2026年5月31日まで。総予算は3億3,000万レアル。同額に達した時点でプログラムは終了する。

(4)航空会社向け財政支援:燃料価格上昇が航空業界に与える影響を抑制するため、航空会社を対象とした低利融資制度を導入する。総予算は35億レアル。

また、政令第12,923号によりバイオディーゼル(注2)に、政令第12,924号により航空燃料に課される、連邦税である社会統合基金・公務員厚生年金(PIS/PASEP)および社会保険融資負担金(COFINS)は、いずれも5月30日まで免税。

ブルーノ・モレッティ企画・予算相は、3月6日の記者会見で今回の措置について、「この戦争はブラジルの戦争ではない。国民に負担を負わせるべきではない」と述べ、国際情勢の影響を国内に転嫁しない姿勢を強調した。

(注1)各州の拠出額は、過去の平均的なディーゼル燃料消費量の比率に応じて配分する。ジェラウド・アルキミン副大統領兼開発商工サービス相は4月2日の記者会見で、ロンドニア州およびリオデジャネイロ州を除く全州が、同プログラムに参加する見込みだと説明した。4月13日の記者会見では、参加を表明していない州が1州残っていると明らかにしたが、州名は公表しなかった。また、ダリオ・ドゥリガン財務相は、現地紙「ジョルナル・ダ・バンジ」(3月31日付)のインタビューで、参加しない州がある場合でも、当該分は連邦政府が負担する一方、現地ニュース番組「グローボ・ニュース」(4月1日付)のインタビューでは、参加しない州ではディーゼル価格が他州よりも上昇する可能性に言及している。MP第1,349号には、州が参加しない場合の扱いに関する明確な規定はない。助成金の運用に関する詳細な規定は、今後定められる見通し。

(注2)ブラジルでは、ディーゼル燃料へのバイオディーゼル混合率15%が義務付けられている。

(エルナニ・オダ)

(ブラジル、中東)

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