インド北部で労働争議が相次ぐ中、UP州が最低賃金を暫定的に最大21%引き上げ

(インド)

ニューデリー発

2026年04月21日

インド北部ウッタル・プラデシュ(UP)州政府は4月17日、2026年4月1日以降の最低賃金について、救済措置として暫定的に引き上げることを通達PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)した。今回の発表は、4月13日にガウタム・ブッダ・ナガル県(District)のノイダおよびグレーター・ノイダで相次ぎ発生した労働争議(2026年4月16日記事参照)を受けたもの。同地域は首都デリーに隣接する新興都市であり、日系企業も多く進出している。

2025年11月21日に施行された新労働法(2025年12月4日記事参照)に含まれる「2019年賃金法」では、州政府が各地域の地理的条件や生活コスト、業務の性質などを踏まえて最低賃金を決定する権限を持つとされている。2026年4月1日以降、同州では州内一律の最低賃金(3月25日発表)が適用されていたが、新たな暫定最低賃金が次の3つの地域カテゴリー別に設定された。

カテゴリーIのガウタム・ブッダ・ナガル県およびガジアバード県の最低賃金は、非熟練労働者では月額1万1,313ルピー(約1万9,232円、1ルピー=約1.7円)から1万3,690ルピーに、半熟練労働者では月額1万2,445ルピーから1万5,059ルピーに、熟練労働者では月額1万3,940ルピーから1万6,868ルピーにそれぞれ21%(引き上げ率では暫定措置として最大)の引き上げとなった。都市自治体(Nagar Nigam)を含む県はカテゴリーIIに分類され、それぞれ約15%、それら以外の県はカテゴリーIIIに分類され、それぞれ約9.2%、最低賃金が引き上げられた。

インド国内からの出稼ぎ労働者が多いデリー首都圏では、都市化による家賃の上昇や中東情勢による液化石油ガスの高騰などにより、労働者の生活環境が悪化している。加えて、4月9日に北部ハリヤナ州が大幅な最低賃金の引き上げを発表した(2026年4月16日記事参照)ことにより、近隣州の労働者の間で不満が一気に顕在化した。4月18日には60社ほどの日系企業が進出しているラジャスタン州のニムラナ工業団地に所在する日系企業でも、労働争議が発生した。現地報道によると、投石などにより建物や車両の破損が生じたほか、数人が負傷する事態となった(4月18日「カスカバール」紙など)。

(丸山春花)

(インド)

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