ペルー大統領選の混乱で選管委トップが辞任、再選挙の有無が焦点に

(ペルー)

リマ発

2026年04月23日

4月12日のペルー大統領選挙など総選挙の際、各地の投票所で投票用紙の未着などの問題が発生して翌日も投票日にするなど混乱が生じた件で(2026年4月16日記事参照)、全国選挙管理委員会(ONPE)のピエロ・コルベット委員長は4月21日、混乱の責任を取り辞表を提出した。これを受けて、事務局長を務めていたベルナルド・パチャス氏が暫定的に委員長に就任した(ONPEリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

ONPEの委員長交代により、今後は首都リマで再選挙が実施されるかどうかが焦点となる。4月12日に投票受け付けが遅れたり、終日投票できなかったりした投票所はリマ市内に集中している。前リマ市長で大統領選挙に立候補しているロペス・アリアガ氏は、有権者の権利を尊重するためリマに限って再選挙を実施することを独立機関のペルー選挙審議会(JNE)に求めている。JNEはリマでの再選挙の実施可否について慎重に検討を進めている。

ペルーでは地方選挙の場合、地方選挙法(法律第26864号)により再選挙の実施が可能だが、国政選挙では再選挙の仕組みがない。一方、今回の選挙では急きょ2日間にわたり投票を実施し、選挙結果の集計期間中にONPE委員長が交代するなど、現行の法制度で想定されていない事態に対し、超法規的措置を取っている。

リマでの再選挙の有無は、得票数が多い2人による決選投票にも影響する可能性がある。決選投票にはケイコ・フジモリ氏が進む可能性が高い。もう1人の枠を巡ってはアリアガ氏とロベルト・サンチェス氏による激しい争いとなっている。リマを票田とするアリアガ氏は、中央銀行の独立性の確保、投資による経済活性化、違法鉱業への対策強化など、フジモリ氏の掲げる公約と方向性が重なる部分が多い。

サンチェス氏は、クーデター未遂などの罪で収監されているペドロ・カスティージョ元大統領の開放、新憲法制定による富の再配分、鉱物資源の管理方法見直しを重要な公約と位置付ける。日本企業が加入する日秘商工会議所(CCIPJ)をはじめ地元経済団体が懸念している鉱業基本法改正については(2026年4月2日記事参照)、鉱業権者が権利を保持できる期間を現行の30年間から5年間に短縮するべきと主張する。また、大統領に就任した場合、中銀の総裁を直ちに入れ替える意向を示していたが、強い批判を浴びたため幹部と中銀の役割について協議するとしてトーンを弱めている。

(石田達也)

(ペルー)

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