ペルー大統領選、経済団体が選挙委員会トップの解任を要求

(ペルー)

リマ発

2026年04月16日

ペルーで4月12日に大統領、上院・下院議員などを選出する総選挙が実施された際、各地の投票所で相次いで問題が発生し、急きょ13日も投票日にしたことについて(2026年4月13日記事参照)、ペルー輸出業協会(ADEX)、ペルー工業協会(SNI)、全国観光会議所(CANATUR)などの経済団体は4月15日、共同声明を発表した。同声明では、「公正な選挙、国民からの信頼、ペルーの民主主義が脅かされることを懸念している」とした上で、全国選挙管理委員会(ONPE)のピエロ・コルベット委員長の即時解任を求めた。

ONPEは、公正な選挙を実施するため、政府から独立した機関として設置されている。全国選挙管理委員会設置法(法律第26487号PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます))第10条により、委員長職は独立性を確保するため他の公職との兼任が禁じられ、正当な障害がない限り選挙の一連の業務が行われている間に解任することは禁じられている。大統領選挙で決選投票が実施される場合、決選投票の集計が完了するまで原則として、コルベット氏が委員長職を継続することになる。

経済団体は、同法の趣旨を理解した上で解任を要求している。過去の選挙では選挙実施機関の体制について経済界が注文をつけることはなく、異例の事態となっている。その背景には、投票日に投票用紙などの選挙備品が投票所に届かない、野外の投票所で電気が不足する、集計作業に使うパソコンの設定ミスやプリンターのインク不足などのトラブルが重なり、総選挙として初めて2日間にわたり投票が行われるなど実施体制が脆弱(ぜいじゃく)だった点が挙げられる。

EUが派遣している選挙監視団のアンナリサ・コラド代表は4月14日、2日間実施された投票を総括し「投票に不正行為はみられなかったが、4月12日に投票所13カ所で投票ができなかった事態は深刻であり、決選投票が実施される場合には改善が必要」とコメントした。

大統領選挙は得票数が多い2人による決選投票となる見込みで、ケイコ・フジモリ氏が進む可能性が高い。もう1人の枠は複数の候補者で接戦となっている。前リマ市長で大統領選に立候補しているラファエル・ロペス・アリアガ氏は、投票所のトラブル発生は不正投票によるものであり、選挙の無効を求めようと支持者に対して呼びかけた。そのほかにも複数の立候補者が選挙プロセスを疑問視する発言をしており、今後の選挙プロセスがスムーズに進むか注目される。

(石田達也)

(ペルー)

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