台湾電力、第3原発の再稼働に向け計画を提出
(台湾)
調査部中国北アジア課
2026年04月03日
台湾の公営電力会社である台湾電力(以下、台電)は3月27日、第3原子力発電所の再稼働計画を核能安全委員会(以下、核安会)に正式に提出したと発表した(注)。台電によれば、同計画は経済部の承認を得た上で、「原子炉施設稼働許可申請審査規則」第16条の1に基づき提出したという。
計画書は、主に「設備の現状およびスケジュール」「人員配置および訓練」「施設の再稼働に向けた工事および定期保守」「稼働期間中の規則策定」「品質検証および監査計画」の5つの項目で構成される。
台電は、本計画が核安会の審査を通過しても、直ちに発電を再開できるわけではないと強調している。再稼働に向けては、まず約18~24カ月を要する自主安全検査を完了させる必要がある。その後、検査報告書を核安会に提出し承認を得て、初めて稼働認可の更新を受けることができる。台電は現在、すでに自主安全検査を進めており、今後も「安全第一」を前提に、法令に基づき厳格に作業を進める方針を示している。
なお、経済部の龔明鑫部長は先日の立法院での質疑において、すでに開始している自主安全検査に言及し、当局が、同原発の原子炉などを手掛けた米国の原子力企業ウェスチングハウス・エレクトリックと契約を締結したことを明らかにした。龔部長は、再稼働のスピードを左右する要因は発電ユニットの老朽化の状況や交換が必要な設備の規模にあると指摘し、設備の状態が良好で交換が必要な設備の規模が小さく済めば、全体の再稼働までの期間を短縮できる見込みと説明している(「工商時報」3月28日)。
経済部は3月22日、昨今の人工知能(AI)や半導体産業の急成長により、台湾における長期的な電力需要が爆発的に増加しているとの認識を示している。当局として、さまざまなエネルギーの組み合わせを検討し、電力供給の安定性を強化する方針を強調した。同時に、原発の再稼働を進めるにあたっては、「原子力安全の確保」「核廃棄物処理の解決」「社会的コンセンサスの確保」の3原則の下で、慎重に進める姿勢を示している。
(注)台湾では、2016年以降の民進党政権下で、2025年脱原発政策が推進されており、同年5月には唯一稼働中の第3原子力発電所2号機が40年の運行期限を迎えて稼働停止し、域内の原発はゼロとなった。一方、台湾では半導体やAIサーバーなどの投資が活発に行なわれる中、野党や産業界から電力需給の逼迫が指摘されてきた。2025年5月には原子炉の稼働期間を40年と定める原子炉施設管理法の改正案が、野党の国民党、民衆党を中心に提案、可決され、原発再稼働に向けた動きが活発になっていた(2025年5月19日記事、2025年8月26日記事参照)。
(藤本海香子)
(台湾)
ビジネス短信 5d9d32c9a8c68004





閉じる