中国ウィーライド、国外配車サービス大手と連携し中東・東南アジアで無人運転配車事業を強化

(中国、シンガポール、中東)

広州発

中国の自動運転技術のスタートアップ企業ウィーライド(WeRide、本社:広東省広州市)は3月31日、国際的な配車サービス大手のUberと連携し、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイにおいて、添乗員が同乗しない完全無人自動運転の有料タクシーサービス「Robotaxi(ロボタクシー)」の商業運行を開始し、中東での事業を強化している。

同社は2023年、UAEで初となる国家レベルの全域自動運転ライセンスを取得しており、各首長国の承認を前提に、全土の公道で自動運転車両の試験および商業運行が可能な体制を構築してきた。2025年11月には、アブダビで完全無人ロボタクシーの商業運行を開始し、これは中東地域初の事例となった(2025年11月19日記事参照)。また、同社はUberと連携し、中東地域において1,200台以上のロボタクシーを配備し、ドバイ、アブダビ、リヤドの主要3都市で展開する計画を明らかにしている。現在、中東地域でのロボタクシー運行台数は200台を超えており、現地子会社のロボタクシー事業はすでに黒字化を達成しているという。また、ウィーライドは、米国以外で唯一、Uberのプラットフォーム上で完全無人ロボタクシーサービスを提供する企業だ。

さらに同社は、東南アジア市場において配車・決済を手掛けるグラブ(Grab)と協業し、4月1日からシンガポール北東部の産官学連携による実証実験区「プンゴル・デジタル・ディストリクト(PDD)」(注)(2025年9月26日記事参照)において、自動運転配車サービス「Ai.R(Autonomously Intelligent Ride)」の公開運行を開始した。同プロジェクトでは、2026年1月以降、1,000人以上の乗客が試乗に参加し、ロボタクシーの累計走行距離は3万キロメートルを超えたという。

ウィーライドの2025年通期決算によると、売上高は約6億9,000万元(約158億7,000万円、1元=約23円)と前年比90%増で、過去最高を更新した。特にロボタクシー事業の売上高は約1億5,000万元(前年の約3.1倍)となり、大幅な伸びを示した。同社は今後、2026年末までに2,600台、2030年には数万台規模のロボタクシーの展開を目指すとしている。

(注)シンガポールの政府開発機関JTCコーポレーションが開発を進める、サイバーセキュリティーやロボティクス、人工知能(AI)などデジタル技術に特化した実証実験・イノベーション拠点を指す。

(黄子珊)

(中国、シンガポール、中東)

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