中国の自動運転技術開発のウィーライド、アブダビで完全無人ロボタクシー商用運行を開始

(中国、アラブ首長国連邦)

広州発

2025年11月19日

中国の自動運転技術のスタートアップ企業ウィーライド(WeRide、本社:広州市)は11月10日、アラブ首長国連邦(UAE)の首都アブダビで、添乗員が同乗しない完全無人運転でロボタクシー(Robotaxi)を商業運行できる許可を当局から得たと発表した。これは同社にとって、米国(2024年8月21日記事参照)に続いて2番目の都市レベルでのL4(注)の自動運転商用ライセンスの取得となる。

同社は同ライセンスを10月31日に取得し、完全無人による運転サービスが提供可能になった。完全無人運転のロボタクシーのサービスは、配車サービスを提供するUberとUAEの自動運転サービスアプリTXAIのプラットフォームを通じて提供され、詳細情報は近日中に発表される予定だ。ウィーライドは2023年7月に、UAE初の自動運転公道走行ライセンスを取得し、各首長国の規制要件を満たす前提で、公共道路でのテスト・運行を行うことが認められていた。

ウィーライドは2021年にTXAIと提携して、アブダビでロボタクシー公開運行を開始。2024年12月には、Uberとの提携でロボタクシーの配車サービス事業を始動させた。2025年10月時点でアブダビにおける累計走行距離は約100万キロメートルに達し、今回の完全無人運行ライセンスにより添乗員の同乗が不要となったことから、1台単位で損益分岐点に到達すると見込まれている。

ウィーライドによると、同社は中東地域で2026年までにロボタクシー車両を1,000台に増やし、2030年には数万台規模への拡大を計画している。さらに、ウィーライドは2025年9月にドバイ道路交通管理局(RTA)からロボタクシー試験運行ライセンスを取得し、ドバイの中心市街地でも試験運行を開始した。同社によると、対象エリアには主要な商業地区や住宅街が含まれ、今後はドバイ空港までエリアの拡大を予定する。2025年中にはUberアプリで商業運行を開始し、2026年初には完全無人運行の実現を目指しているという。

(注)中国工業情報化部による「汽車駕駛自動化分級(自動車運転自動化分類)」の国家標準で、自動運転レベルの1つ。L0からL5まで6段階あり、L4は高度自動運転と定義されている。

(梁梓園)

(中国、アラブ首長国連邦)

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