2025年のアフリカのM&Aは多数の大型案件が成立

(アフリカ、南アフリカ共和国、ケニア、ナイジェリア、エジプト、モーリシャス、英国)

ナイロビ発

2026年04月01日

南アフリカ共和国のビジネス誌「ディールメイカーズ・アフリカ」は、2025年のアフリカ地域のM&Aに関するレポートを発表した。南アが2026年2月外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますその他アフリカが同年3月外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますに発表されている。

発表によると、2025年の南アのM&A(成功案件のみ)は、金額で前年の約3.3倍の1兆6,386億8,100万ランド(約950億4,350万ドル、1ランド=約0.058ドル)、件数では約6%増の384件だった(添付資料表1、表2参照)。2025年9月に発表された南ア系資源大手アングロ・アメリカンとカナダの鉱山会社テック・リソーシズの経営統合(約9,250億ランド)の超大型案件が牽引した。ただし、同案件を除いても、取引総額は約7,140億ランドで前年の6,600億ランドを上回った。同誌によると、2025年10月に国際組織の金融活動作業部会(FATF)が南アをグレーリストから除外したこと(2025年10月28日記事参照)と、それに続き信用格付け会社S&Pグローバル・レーティングによるソブリン信用格付け引き上げ(2025年11月20日記事参照)など、南ア市場の信頼回復により、2025年末にかけて取引件数が急増し、一定規模を持つ取引も複数成立したとしている。

また、2025年の南アを除く地域のM&Aは、件数では16.0%減の356件となった。一方、複数の大型案件により、金額では前年比17.6%増の173億3,499万ドルとなった(添付資料表3、表4参照)。同誌によると、2025年は米国トランプ政権の通商政策および外交政策の姿勢がもたらす影響が引き続き世界的な不確実性を生み出し、市場や投資家心理に不可避的な波及効果を及ぼしたとした。

国別で、金額が最も大きかったのは、ケニア(58億3,251万ドル)で、ナイジェリア(23億9,529万ドル)、エジプト(22億9,759万ドル)、モーリシャス(12億5,326万ドル)の順に大きかった。件数では、ナイジェリア(60件)、ケニア(58件)、エジプト(51件)だった。大型案件では、英国の酒造企業ディアジオによるディアジオ・ケニア全株式の日本の酒造大手アサヒグループホールディングスへの売却(約30億ドル)が最大で、続いて南ア通信大手ボーダコムによるケニア通信大手サファリコムの追加20%持ち分の取得(約24億ドル)が大きかった。

(佐藤丈治)

(アフリカ、南アフリカ共和国、ケニア、ナイジェリア、エジプト、モーリシャス、英国)

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