FATF、南アをグレーリストから除外、ビジネス界は歓迎
(南アフリカ共和国)
ヨハネスブルク発
2025年10月28日
マネーロンダリング(資金洗浄)、テロ資金調達、拡散金融(注)を監視する国際組織の金融活動作業部会(FATF)は10月24日、南アフリカ共和国、ナイジェリア、モザンビーク、ブルキナファソの4カ国を、監視強化対象国であるグレーリストから除外したと発表した。
南ア政府は、2023年2月にFATFのグレーリストに対象となった後、FATFの間で合意された22項目の行動計画について取り組んできたという。政府は「南アがマネーロンダリング対策およびテロ資金供与対策に対応し、FATFのグレーリストから脱却したことは、特に国家捕獲の時代に国家自体が弱体化する中で、南アの人々にとって大きな政策的、制度的成果である」と述べた。
加えて、南アの財務省は「政府機関も民間規制対象機関も、現状に満足することなく、改善を止めてはならない。官民連携を通じて、マネーロンダリング、テロ資金調達に対するシステムの強化を継続しなければならない」と強調した。
南ア歳入庁(SARS)のエドワード・キースウェッター長官も、グレーリストから南アを除外する決定を歓迎し、「これはわが国にとって重大な瞬間であり、わが国の金融システムの健全性を回復するための政府全体の取り組みとその制度の証しである」と述べた。
南ア銀行協会は「財務省とすべての関係者に祝意を表する。南アに対する企業や投資家の信頼は大いに高まるはずだ。南アの金融サービスの健全性と効果的な規制は、外国投資誘致の競争において同国にとって有利になる」と述べている。
また、南アのビジネス団体であるビジネス・リーダーシップ・サウス・アフリカ(BLSA)の最高経営責任者(CEO)のブシスウェ・マブソ氏は「国際社会は、私たちがグレーリストから脱却したことに注目しているという。海外の大手投資家は、南アをアフリカで最も強固な経済国と見なしている。南アの金融システムは、海外投資家の資金を適切に管理できると信頼されており、今週の発表は、この信頼の基盤をさらに強化するものである」と述べた。その一方で、グレーリストからの脱却に続いて、経済改革、インフラ投資、そして政府の継続的な取り組みが必要とくぎを刺している。
(注)拡散金融:大量破壊兵器の開発、保有、輸出などに関わる人物や団体に対して、資金や金融サービスを提供すること。
(トラスト・ムブトゥンガイ、多崎央)
(南アフリカ共和国)
ビジネス短信 9f19d70576f1dcd2




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