メキシコ政府、185品目の一般関税率の引き上げ期間を無期限に延長
(メキシコ)
メキシコ発
2026年04月28日
メキシコ政府は、4月23日の連邦官報で、「輸出入関税法(LIGIE)の税率(TIGIE)を改正する政令」および「産業分野別生産促進プログラム(PROSEC、注1)を定める政令」を公布した。翌日施行した。本政令では185品目の一般関税率の引き上げ期限と、PROSEC第5条における電気(第1セクター)、電子(第2セクター)および自動車・自動車部品(第19セクター)の生産において、原材料となるHSコードの関税特別優遇措置の期限を無期限に延長した。
今回改定された185品目の中には、化学製品、化粧品、紙、繊維、鉄鋼・アルミニウム製品、自動車部品、電気機器、自転車、楽器、家具などに関連する品目が含まれる。なお、今回改正されたほとんどの品目は、2024年4月22日に一般関税率(TIGIE)が引き上げられた544品目の中に含まれている(2024年4月25日記事参照)。2024年に実施された544品目の一般関税率の引き上げは、2年間の期限が設けられていた。残りの品目(359品目)においては2025年12月29日に一般関税率が引き上げられた時点で(2026年1月6日記事参照)、すでに無期限となっていたため、544品目の一般関税率が維持されただけだ。今回の改正で新たに追加されたのは5品目のみ(注2)。
なお、PROSEC第5条の改正においても、2024年4月22日のLIGIEの改正の経過条項で改正されており、鉄鋼製品のHSコード(注3)が追加され、期限は2年間とされていた。主にフラットロール製品(鋼板)が対象となっており、例えばHSコード7225では電磁鋼板が含まれる。メキシコでは電磁鋼板が生産されていないため、PROSECで関税の特別優遇措置を適用することにより、電磁鋼板を原材料とするモーターコアなどの製品の生産促進を目的としている。他の鋼板についても、用途や品質の観点から、現在でもメキシコ国内では生産できていない製品が多いため、PROSECの適用期間を無期限に延長したものと思われる。なお、当該製品を、PROSECを通じて輸入していた企業においては、引き続き恩恵を享受できる。
今回の改正において、544品目すべてが無期限の延長となったため、メキシコと自由貿易協定(FTA)を締結していない国・地域から当該製品を輸入する際、または、FTAの原産地規則を満たさない製品においては、引き続き一般関税の影響を受けることとなる。ただし、PROSECやレグラ・オクターバ(注4)に基づく優遇関税率は適用可能。そのため、非FTA締約国から輸入している場合は、FTA締約国からの輸入に切り替えるか、PROSECやレグラ・オクターバの適用を考える必要がある。
(注1)メキシコ政府が国内生産を促進する24の業種で生産活動を行う企業が登録を行い、特定の部品・原材料、機械設備を優遇関税で輸入できるプログラム。
(注2)新たに追加された品目のHSコードは、5208.32.01、5208.42.01、5512.11.05、5804.10.01、9404.40.01。
(注3)PROSEC第5条で維持されたセクターごとのHSコードは、次のとおり。
- 電気:7208.39.01、7208.51.04、7211.29.99
- 電子:7225.19.99
- 自動車・自動車部品:7208.26.01、7208.27.01、7209.16.01、7209.17.01、7211.29.99、7225.30.91、7225.40.91
なお、一部HSコードにおいて例外規定が設けられており、当該HSコードに当てはまる製品であっても、適用できない製品もあるので注意が必要。
(注4)PROSECの優遇関税の対象になっていない品目について、国内生産がない、あるいは国内生産品の供給が不十分などといった理由に基づき、PROSEC登録企業が経済省から特別輸入許可を個別に取得し、承認された数量枠内に限り、原則無関税で輸入を認める制度。
(阿部眞弘)
(メキシコ)
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