上海市、「首発上海」シリーズ活動が始動、「首発経済」支援策を更新

(中国)

上海発

2026年04月09日

中国・上海市は3月28日、静安区の張園において、「首発上海」シリーズ活動の発表式を開催した(「解放日報」3月29日)。中国では近年、「首発経済」(注1)と呼ばれる新たな消費・産業振興の概念が注目を集めており、企業にとっても政府からの補助を得られるなどのメリットがある。

「上観新聞」(注2)によると、2025年には上海市内で首発経済関連のイベントが約3,000件開催された。2026年も上海では大型イベントが相次ぐ見通しで、フランスのファッションブランドのメゾン マルジェラが4月1日から2026年秋冬コレクションを世界初公開するほか、スイスの高級腕時計ブランド、タグ・ホイヤーは中国で初めて新技術の展示会を開催する予定だ。

また、中国の人型ロボットメーカー、宇樹科技(ユニツリー・ロボティクス)は、アジア初となる体験型店舗の開設を計画している。

このほか発表式において、MUJI無印良品は張園に没入型体験店舗を開設し、ヘンプ繊維素材を用いたデザイナーズモデルのシリーズを初披露した。ユニクロは、ディズニー、F1レーシング、「集英社」創業100周年とのコラボレーションを含むUTシリーズなど、2026年春夏向けの新商品100点以上を発表した(「上観新聞」3月28日)。

写真 「首発上海」イベント会場でのMUJI無印良品の展示(ジェトロ撮影)

「首発上海」イベント会場でのMUJI無印良品の展示(ジェトロ撮影)

当日の発表式では、上海市商務委員会が「首発経済」促進策のバージョン4.0を発表した(「解放日報」3月29日)。同政策は2018年に初めて導入され、2024年以降、内容を順次更新しており、今回が4回目の改定となる(2025年3月31日記事参照)。

上海市商務委員会によると、今回発表された支援政策は計13項目で構成されており、前年の内容から新たに3項目が追加された(「上観新聞」3月28日)。上記3月29日付「解放日報」によると、主な追加点は資金面での支援強化で、首発経済の集積区、首発センター、ブランド・インキュベーション・プラットフォームの整備を対象としている。同委員会は、世界またはアジアでサービスや製品を初めて展開する店舗の開設や、高規格の新製品発表会、展示会での初公開、さらには専門的サービスのエコシステム構築に対する資金支援を引き続き実施する方針だ。支援額は案件ごとに、最大120万元(約2,760万円、1元=約23円)を支給する。

上海市では、国内外ブランドの初出店が相次いでいる。2025年には1,093店舗が同市に初進出し、2018年から2025年までの累計では初出店数が8,472店に達した(「解放日報」3月29日)。

(注1)「首発経済」は、企業による新製品の発表、新業態・新モデル、新サービス、新技術の導入、店舗の開業などの経済活動の総称。これまでになかった新たな製品やブランドを出店することで、経済を振興させることを目的とする。2026年1月に発表された中国共産党上海市委員会による第15次5カ年規画の策定に関する建議においても言及がされていた(2026年1月23日記事参照)。

(注2)上観新聞は、上海市共産党委員会の機関紙である「解放日報」新聞社が運営するメディア。

(王艶)

(中国)

ビジネス短信 231ac2c103bbefaa