石油統計速報では3月の原油輸入は前年同月比16.5%減少、経済産業省が代替調達を報告

(中東、米国、イラン、日本)

調査部中東アフリカ課

2026年04月30日

日本の資源エネルギー庁は4月30日、2026年3月分の「石油統計速報」を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。3月の原油輸入量は1,039万キロリットル(kL)、前年同月比16.5%減、中東依存度は95.9%だった。

国別の輸入量と前年同月比増減は次のとおり。

  • サウジアラビア:451万kL、10.2%増
  • アラブ首長国連邦(UAE):404万kL、21.7%減
  • クウェート:30万kL、63.9%減
  • 米国:26万kL、18.2%増
  • カタール:13万kL、80.9%減

石油製品の3月の生産は、燃料油が前年同月比0.3%減、潤滑油が0.5%増、アスファルトが19.3%減、液化石油ガスが12.4%減だった。

燃料油の3月の生産の品目内訳をみると、ガソリンは前年同月比2.0%減、ジェット燃料は11.7%増、灯油は17.6%減、重油は4.7%増、軽油やプレスチック関連の製造などに使われるナフサは前年同月から変動なしだった。

財務省貿易統計によると、3月の日本の中東からの輸入額は前年同月比10.7%減で8,788億円、中東向け輸出額は45.9%減の2,257億円だった(2026年4月22日記事参照)。イスラエルと米国が2月末にイランを攻撃し、イランがホルムズ海峡の船舶にも攻撃したことから、3月以降のホルムズ海峡の通航が激減している。一方、同統計では輸入は「当該輸入貨物の輸入許可の日」をもって計上となっており、情勢悪化前に海峡を通過した貨物も、3月に日本に到着し輸入額に計上される。なお、輸出額の計上は日本から当該輸出貨物を積載する船舶または航空機の出港の日となっている。

4月以降の統計にはホルムズ海峡の事実上の封鎖の影響がでる見込みだ。他方、経済産業省の「中東情勢に関する関係閣僚会議」に関する報告資料外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(4月24日時点)によると、4月の原油輸入は代替調達などで例年の約2割以上を確保したうえで、石油備蓄の放出で補充し、5月は代替調達で例年の約6割を確保する見込みだという。

なお、日本の外務省は4月29日、イラン側への働きかけもあり、ペルシャ湾に滞留していた日本関係船舶1隻(石油タンカー)がホルムズ海峡を通過し、現在、日本へ向けて航行していると発表した(2026年4月30日記事参照)。

中東情勢と世界各国の動きはジェトロ特集「イスラエル・米国とイランの衝突を巡る中東情勢関連情報」を参照。

(井澤壌士)

(中東、米国、イラン、日本)

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