メキシコ経済省、アルミニウムの輸入自動通知を官報公示

(メキシコ)

メキシコ発

2026年04月06日

メキシコ経済省は4月2日、同省が貿易に関する規則・指針を定める省令(通称、経済省貿易細則)の改正を連邦官報で公布した。同細則2.2.26BIS則および別添2.2.1の8のIVを追加し、アルミニウム製品を輸入する際に、経済省に対して輸入自動通知の手続きが必要となった。本改正は、2025年11月に経済省が同改正案を国家規制改善委員会(CONAMER)に提出し、パブリックコメントを募集していた。経済省は本改正の目的として、「国際貿易におけるパラダイムシフト、ならびに一次アルミニウムや二次アルミニウム(リサイクル材)が交錯するグローバルなサプライチェーンが出現する中、より迅速かつ正確な貿易取引の監視メカニズムを整備し、国内で生産、加工、販売、または使用されるアルミニウムの原産地およびトレーサビリティに関する確実性向上が不可欠」と述べた。アルミニウム製品の監視強化のために、今回の改正に踏み切ったかたちだ。

対象となったのは、商品情報識別番号(NICO、HSコード10桁)ベースで47品目だ(添付資料参照)。一方、HSコード7602、7603項のアルミニウムスクラップ(くず、粉)やHSコード7610~7615項に含まれるアルミニウム製の容器、線・ケーブル、家庭用品(食卓・台所用など)などについては対象外となった。また、アルミニウムの輸入自動通知の開始時期は、「メキシコ貿易手続き単一窓口(VUCEM)で申請可能となるまで」としており不明だ。具体的な申請方法は、国家貿易統合システム(SNICE)で通知するとした。

鉄鋼の輸入自動通知との違いに注意

アルミニウムの輸入自動通知は、鉄鋼における輸入自動通知(AAIPS、注1)と類似点は多いものの、注意すべき点が複数ある。1つ目は、AAIPSは確定輸入のみだが、アルミニウムの輸入自動通知は確定輸入および一時輸入が対象となっており、対象範囲が拡大していることに注意が必要だ。2つ目は、AAIPSでは鉄鋼製品輸入業者登録(RIPS、注2)があるが、アルミニウムの輸入自動通知においては同登録制度がなく、対象製品を輸入する場合、都度申請が必要となる。最後に、鉄鋼製品においては、鉄鋼製品の証明のために鋼材検査証明書(ミルシート)の提出が義務付けられている。しかし、アルミニウム製品は、申請時に必要な輸入製品のデータ(添付資料参照)をVUCEMに登録する際に必要な証明書は明示されておらず、どのように申請情報を証明するか記載がない。

上記のように、アルミニウムの輸入自動通知の詳細は、SNICEにおける情報提供を待つしかなく、開始時期もあいまいだ。今後、アルミニウムの輸入手続きに混乱が起きる可能性が高い。

(注1)鉄鋼における輸入自動通知については、地域・分析レポート「輸入自動通知を解説(メキシコ)(1)改正経緯と国内外の交渉過程」、地域・分析レポート「輸入自動通知を解説(メキシコ)(2)改正内容と実務の注意点」を参照。

(注2)「鉄鋼製品輸入業者登録」は、直近12カ月間の鋼材の輸入実績など特定の要件を満たす企業が当該登録を行うことで、複数回の輸入をカバーする1年間有効な輸入自動通知番号を輸入鋼材別に取得でき、都度輸入自動通知の申請を不要とする登録制度。

(阿部眞弘)

(メキシコ)

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