イスラエルのヘルツォーク大統領、ネタニヤフ首相恩赦判断を先送りの方針
(イスラエル、米国、イラン)
テルアビブ発
2026年04月30日
米国の「ニューヨーク・タイムズ」紙(4月26日付)は、イスラエルのアイザック・ヘルツォーク大統領が、汚職事件で長期裁判が続くベンヤミン・ネタニヤフ首相に対する恩赦要請(2025年12月1日記事参照)について、現時点では判断を下さずに、検察当局と首相側との間での司法取引に向けた調停プロセスを進める先送りの方針を固めた、と報じた。同報道によれば、イスラエル大統領府は、ヘルツォーク大統領がこれまで繰り返し「当事者間で友好的な解決に至ることが重要な公益である」との立場を示してきたとしており、最終判断については、イスラエルの法律に基づき国家の最善の利益に従って行う考えを強調しているという。
ヘルツォーク大統領の法務顧問は4月28日、ガリ・バハラブ・ミアラ検事総長およびネタニヤフ首相の代理人弁護士に対し、大統領官邸での協議への出席を打診したという(「タイムズ・オブ・イスラエル」紙4月28日付)。
一方、米国のドナルド・トランプ大統領は米ニュースサイト「アクシオス」のインタビュー(4月29日付)で、ヘルツォーク大統領がネタニヤフ首相に恩赦を与えれば「国民的英雄になる」と述べ、「戦時に首相を法廷に縛り付けておくのはあり得ない」と批判したという。トランプ大統領は2025年10月13日にイスラエルを訪問し、イスラエルの国会にあたるクネセトで演説した際(2025年10月14日記事参照)、ヘルツォーク大統領に対し、ネタニヤフ首相への恩赦を検討するよう呼びかけている。さらに、同年11月には、ホワイトハウスの公式書簡として、ヘルツォーク大統領にネタニヤフ首相の恩赦を求めていた(「エルサレム・ポスト」紙2025年11月12日付)。
汚職裁判については、イランとの軍事衝突(2026年3月2日記事参照)を理由に、2026年2月24日を最後に実質的な審理が中断された状態が続いている。「タイムズ・オブ・イスラエル」紙(4月27日付)によると、4月27日に予定されていた審理再開は、開始直前になって中止され、結果として裁判の停止期間は2カ月以上に及んでいる。ネタニヤフ首相は贈賄、詐欺、背任の罪で起訴されているが、本人は一貫して無罪を主張し、2025年11月にヘルツォーク大統領に恩赦を正式に要請している(2025年12月1日記事参照)。
イスラエルの軍事衝突の関連情報は、イスラエルとハマスの衝突の特集、イスラエル・米国とイランの衝突を巡る中東情勢関連情報を参照。
(中溝丘)
(イスラエル、米国、イラン)
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