中国とベトナムが共同声明を発表、越境経済圏の建設や産業分野における協力を強化
(中国、ベトナム)
北京発
2026年04月21日
中国の習近平国家主席は4月15日、北京市でベトナム共産党のトー・ラム書記長兼国家主席と会談を行った。
習国家主席は会談で、中国とベトナムの関係について、双方は発展戦略上の連携を加速し、インフラ分野における相互接続を進めていくべきと述べた。また、優れたベトナム製品の中国市場への参入を歓迎するとしたほか、両国は人工知能(AI)、半導体、IoT(モノのインターネット)などの新興分野、および観光、文化、メディア、教育、衛生、スポーツなどの分野における協力関係を引き続き深化させる必要があると指摘した。
中国外交部は会談後の4月17日、「中国とベトナムの新時代における包括的戦略的協力パートナーシップの持続的深化および、よりハイレベルで戦略的意義を有する中国・ベトナム運命共同体構築推進に関する共同声明」を発表した。声明の主な内容は次のとおり。
〇中国による「一帯一路」と、ベトナムによる「両廊一圏」枠組み(注1)の連携を加速する。貿易およびインフラ、物流、市場の相互接続を強化する。また、中国南部の広西チワン族自治区や雲南省と、ベトナム北部のクアンニン省やラオカイ省における越境経済協力区建設に係る協力を進める。
〇双方は自由で開かれた貿易・投資体制を維持するとともに、安全で安定的な産業チェーン・サプライチェーンをともに構築する。中国国内におけるベトナムブランドのPRや、ベトナム企業、特にデジタル分野の企業によるバリューチェーンへの深い参画および中国市場への参入を推進する。
〇デジタル経済、グリーン(環境配慮型)発展、AI、量子技術、半導体、高速鉄道などの分野において双方が技術協力を行うことを支持する。ビッグデータや5Gなどの分野における協力を拡大するとともに、それらの技術をスマート製造やスマート物流などの産業シーンに応用する。また、クリーンエネルギーや再生可能エネルギー技術などの分野においても協力を進めるほか、双方の法律法規や産業政策に沿うとの前提の下で重要鉱物資源分野における協力関係を模索する。
〇金融分野における協力を強化する。金融・通貨政策の情報共有を行うほか、自国通貨による決済範囲の拡大を検討する。また、QRコードの越境相互接続を強化する。
〇双方は地域的な包括的経済連携(RCEP)協定の実施を全面的に推進するとともに、ベトナムは、協定の基準および手続きを満たす前提で中国の環太平洋パートナーシップに関する包括的および先進的な協定(CPTPP)への加入を支持する。また、中国・ASEAN自由貿易協定(ACFTA)3.0アップグレード議定書(2025年11月17日記事参照、2026年4月1日付地域・分析レポート参照)のできる限り早期の批准・発効を共同で推進し、ハイレベルな地域経済統合の深化を図る。
そのほか、中国工業情報化部(工信部)とベトナム科学技術部間の共同研究計画実施に関する覚書など、計32の協力文書が調印された(注2)。
(注1)2つの回廊と一帯の経済圏における2国間の経済協力枠組み。2つの回廊は、中国の雲南省昆明市からベトナムのラオカイ省を通り、ハノイ市とハイフォン市を経てクアンニン省に至るルートと、広西チワン族自治区南寧市からランソン省、ハノイ市経由でクアンニン省へ至るルートを指す。一帯の経済圏は、中国南部からハイフォン市までトンキン湾(北部湾)海域にまたがる地域を指す。
(注2)各協力文書の内容は中国政府網の発表(4月17日付)
を参照。
(西島和希)
(中国、ベトナム)
ビジネス短信 09b0523f3913daf0





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