米国務省、GEエアロスペースと武器品目の輸出管理違反について和解

(米国)

ニューヨーク発

2026年04月21日

米国国務省は4月17日、ゼネラル・エレクトリック(GE)傘下のGEエアロスペースと、同社の輸出管理違反について和解したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

米国では、武器輸出管理法(AECA)と同法に基づく国際武器取引規則(ITAR)により、国務省が武器品目(防衛関連製品、技術、関連サービス)の輸出管理を行っている(注1)。武器品目の製造や輸出、仲介業務に従事する事業者などは、国務省防衛取引管理局(DDTC)への事前登録が必須だ。さらに、ITARの米国軍事品目リスト(USML)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますに掲載されている武器品目の輸出や提供、仲介などを行う際には、一般にDDTCなどから事前に輸出許可を取得する必要がある。法令違反が認められた場合は、民事罰および刑事罰のいずれかまたは両方が適用される。国務省によると、民事罰は通常、違反者と同省での協定締結を通じた和解というかたちで制裁金などが科される(注2)。

今回の発表によると、GEエアロスペースは中国への技術データの無許可での輸出やDDTCへの登録内容の重大な変更の報告不備など、AECAとITARに対して116件の違反をしていた。これら違反に対し、GEエアロスペースは国務省と36カ月間の協定(Consent Agreement)を締結し(注3)、3,600万ドルの民事制裁金を支払う(注4)。また同社は、協定の履行期間のうち少なくとも最初の24カ月間、履行を監督する特別コンプライアンス・オフィサーを外部から指名するとともに、少なくとも1回の外部監査と追加のコンプライアンス対策を実施する。

武器品目の輸出管理に違反した企業と国務省による和解が発表されたのは2024年10月のプレシジョン・キャストパーツの事例以来であり、第2次トランプ政権下では初めて。バイデン前政権下では、2024年2月に発表された、ボーイングによる199件のAECA・ITAR違反に対する民事制裁金5,100万ドル(一部は条件付き留保)での和解が、大型の違反事例として挙げられる(2024年3月4日記事参照)。

(注1)民生品にも軍事品にも利用できるデュアルユース品目に対する輸出管理は、商務省産業安全保障局(BIS)が輸出管理規則(EAR)に基づいて行っている。

(注2)ITARで定められた規則に故意(willful)に違反した場合は刑事罰が適用される。この例として、2025年8月に国務省が発表した、個人17人の輸出資格剥奪のケースが挙げられる(2025年8月21日記事参照)。DDTCがこれまでに輸出資格を剥奪した法人や個人のリストはDDTCウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますから参照可能。

(注3)今回のケースを含む、これまでに締結された協定はDDTCウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますから参照可能。

(注4)ただし、制裁金のうち1,800万ドルは、GEエアロスペースのコンプライアンス・プログラム強化に資金を使うことを条件に、支払いが留保される。

(滝本慎一郎)

(米国)

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